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もう一度見直そう、I 型スーツ! ケイドのOwn Makeモデル(3ページ目)

ブルックス ブラザーズのOwn Make(オウンメイク)スーツを、あのテーラー・ケイドが復活させた。しかも仮縫い付きのフルオーダーだ。百花繚乱のスーツ時代だからこそ、あえてI 型の魅力を考えてみたい!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

ブルックス ブラザーズのOwn Make(オウンメイク)


ブルックス ブラザーズ青山本店
1979年、ブルックス ブラザーズの20軒目として開店したブルックス ブラザーズ青山本店。入口上部に飾られたゴールデン・フリースは永遠だ! 2004年晩秋に撮影。
ボクが持っている同社の'90年代後半の3つボタン段返りブレザーを見ると、衿~フロント、胸と脇のポケットにウエルトシームが入るものの、肩線や背中には入らず、ベントも普通のセンター・ベントである。

他社と異なるのは、脇のパッチ&フラップ・ポケットのフラップをめくってみると、裏地がポリエステルではなく表地と同じ素材という点だ。

1979年8月31日、日本に上陸したブルックス ブラザーズであるが、’60年代にVANで育った世代はもちろんのこと、’80年代初頭のトラッドブームに乗った’80年代の若者も夢中になったのである。


ブルックス ブラザーズ オウンメイク
ブルックス ブラザーズのなかでも特別なライン(ブランド)が Own Makeだ。1985年秋冬カタログより抜粋。私物。
そんなブルックスのなかでも、格上ライン(ブランド)だったのが、「Own Make」(オウンメイク)である。当時Own Makeを頂点に「346」と「BROOKS GATE」が存在した。

このOwn Makeは、日本ではおそらく青山本店のオープン当初から展開しており、1991年の春夏カタログまで載っていることから、'90年代初めまでは日本でも購入できたはずである。

Own Makeとは「Made in our own workrooms~」を略した呼称であり、つまり量産モデルではなく、特注の素材を使って、自家(直営)工場で職人が要所手縫いで作り上げるエグゼクティブ向けの最高級クロージングだったのだ。

とうぜん価格も高額で、‘80年代中頃のカタログを見てみると、スーツ14万円、ブレザー7万9000円、ツイード・ジャケット9万3000円也!

同社の「346」の場合、スーツ6万9000円、ブレザー4万3000円、ツイード・ジャケット4万9000円である。約2倍の値段がするため、多くの人たちにとって憧れの一着だったのだ。もちろんボクも指をくわえていた1人である。


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