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もう一度見直そう、I 型スーツ! ケイドのOwn Makeモデル

ブルックス ブラザーズのOwn Make(オウンメイク)スーツを、あのテーラー・ケイドが復活させた。しかも仮縫い付きのフルオーダーだ。百花繚乱のスーツ時代だからこそ、あえてI 型の魅力を考えてみたい!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

I 型(いちがた)スーツってなに?


J・プレスの段返り
J・プレスの3つボタン中1つ掛けの段返りブレザー。この段返りのロールに魅せられたトラッドファンも多い。
アイビー&トラッドファンにとって、I 型(いちがた/日本の業界用語)のスーツおよびブレザーは大変馴染み深い。

ナチュラル・ショルダー、前ダーツ(胸ぐせ)なし、センター・ベント、3つボタン中1つ掛けの段返りを特徴としたこのスーツは、その歴史も古い。

1918年に米国ブルックス ブラザーズ(以下ブルックス)が紹介した、いわゆる「ナンバー・ワン・サック・スーツ」にまで遡ることができる。

この「ナンバー・ワン・サック・スーツ」こそ、I 型のオリジナルなのである。


VANのタグ
1951年、大阪で設立したVAN。'60年代~'70年代のメンズファッションをリードし続けた。1978年4月6日倒産。このタグは1980年代初頭の新しいVANのもの。
I 型というと、やっぱりVANを思い浮かべてしまう。典型的なVANのブレザーは'40年代後半~'60年代初めにかけて流行した「アイビー・リーグ・モデル」をベースにしている。

このモデルは3つボタン上2つ掛けを特徴としているが、VANのそれは3つボタン中1つ掛けが主流である。


VANのセンター・フックド・ベント
1980年代初め頃のVANのブレザー。アイビーならではのセンター・フックド・ベントだ。VANの場合、ベントの上にもウエルトシームが入る。
その違いはあるもののVANのブレザーもやっぱりI 型の範疇に入ると思う。

いずれにせよこのモデルも「ナンバー・ワン・サック・スーツ」から派生しているので、まあ、親戚のようなものだ。

さて、ここではI 型のスーツよりブレザーのほうが市場に出回っていることもあり、理解しやすいので、ブレザーで説明したいと思う。


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