都会的なシャツの定番。ビジネススタイルの基本形
オリアンのワイドスプレッドカラーシャツ2万2575円(エディフィス 渋谷) photo:石井幸久 |
「ホリゾンタル」とも呼ばれる180度開いたワイドスプレッドカラーが、「オリアン」の幅広いラインナップを物語ります。本来このホリゾンタルカラーは英国クラシックを体現する衿型ですが、やわらかな衿羽根のおかげで、堅苦しい印象は皆無です。このあたりこのブランドならではのシャツの仕立ての上手さといえるでしょう。
柄は薄いブルーのロンドンストライプ。先程の「フィナモレ1925」も同様ですが、この手の等幅ストライプが今季のトレンドです。注目すべきは台衿が身頃と共生地になっている点。先程の「フィナモレ1925」は台衿が白地でしたね。台が身頃と同じ柄になっていると衿羽根が浮いて見えないので、襟元はぐっとタイトに見せることができます。タイをしても、ノットの脇に白地の台が見えないのでキュッと詰まった感じに見えるわけです。都会的でモダンな雰囲気に見せるのは、こういう細部の仕立ての違いがあるからなんです。
ホリゾンタルカラーの台衿はやや低め。しかも身頃と共生地になっています。身頃の生地は薄手のロンドンストライプ。細かい等間隔のブロックストライプが今季の主流です。 photo:石井幸久 |
バランスと使い勝手のよい国産クレリックシャツ
エディフィスのクレリックシャツ1万5750円(エディフィス 渋谷) photo:石井幸久 |
身頃のピンクのストライプも今風の細かな等幅縞柄です。着てみると適度にタイトフィットで、ジャケットを脱いでもスタイリッシュでいられるのもセレクトのポイント。がっちり体型の人にはちょっとつらいかもしれませんが、袖が細いという点も、お洒落シャツのポイントですよ。
ドライタッチの生地が素肌に心地よい質感です。そもそもエディフィスは、シャツ工場から派生したセレクトショップだけにオリジナルのシャツには定評があります。剣ボロ(袖口からボタンが付くプラケット部)のボタンホールが横位置になっているのも掛け外しのしやすさに影響するポイントです。1から10までよく考えられているシャツだな、と感心させられます。
セミワイドカラー衿羽根は、剣先が鋭角になっているのでシャープな印象です。台衿は低めのモダンスタイル。身頃のピンクストライプも繊細で、上品カジュアルにも使えそうです。 photo:石井幸久 |
同期のアイツと同じクレリックシャツのはずなのに、なんかちょっと違うんだよな、と思われた方、こういう“じつに小さなところで見え方が変わる”というのはスーツも同様です。細部のサイジングが1ミリ違えば大違いなんです。ほかにもクレリックでボタンダウン、クレリックでラウンドカラーなどまだまだいろいろな種類があります。衿型、衿の高さなども注意して自分の理想のシャツを選べるように、参考になれば幸いです。
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