筋トレは体にどんな影響を与えているのか?

ウエイトトレーニングをどうせするなら、効率よく短期間で筋肉をつけたいですよね。しかし、巷ではいろいろなトレーニング方法が紹介され、どの方法が効率がよいのか混乱してしまいます。そこで今回は様々なトレーニング方法が体にどんな刺激を与えるのか整理して、どのようなプログラムが効率的なのかを考えてみましょう。

トレーニングは筋肥大を誘発するストレス

筋肉が肥大するという適応現象を起こすのは筋肉があるストレスを受けることにより、現在よりも強い力を発揮できるようになる必要性を感じたことの結果です。トレーニングとは、筋肉に肥大の必要性を感じさせるストレスを与えて「肥大しなさい」というシグナルを送る作業ということになります。ですからどのタイプ筋肉へのストレス(刺激)が筋肥大のシグナルになるのかを考えてみましょう。

筋肉に肥大を誘発させる4つのストレス

筋肉の肥大を誘発させるには4つのストレスがあります。
1.筋肉に大きな力をかける
2.筋肉に微細な損傷をおこさせる
3.筋肉に無酸素性の代謝物(乳酸など)を蓄積させる
4.筋肉を低酸素状態にする

(使える筋肉・使えない筋肉 谷本著より抜粋)
これら4つのストレスはそれぞれが完全に独立した要素ではありませんが、ここでは分けて考えてみましょう。

1.筋肉に大きな力をかける

高重量のトレーニング
重たいものを持上げて筋肉に大きい力をはっきさせることが、筋肉を大きく強く発達させることは皆さんもご存知だと思います。一般的に(重量挙げなどの選手は除き)、重いものを持てる人の方が筋肉もあるということです。筋肉は強い力を発揮するほど多くの筋肉群が使われるので、発揮する力が大きいほど、より多くの筋繊維に肥大のシグナルを送れることになります。

2.筋肉に微細な損傷をおこさせる

ネガティブ
ウエイトを下ろして行く動作の方が筋繊維に多くの損傷を与えます。
ネガティブ(下ろすとき)を重視したトレーニング
ウエイトトレーニングの動作は2種類の筋収縮が伴います。上げるとき(ポシディブ)の短縮性筋収縮と下げる時(ネガティブ)の伸張性筋収縮です。
例えば腕(上腕二頭筋)を鍛えるためのダンベル・カールという種目では、肘を曲げダンベルを持上げる動作が短縮性筋収縮、曲げきったところから肘を伸ばしていくのが伸張性筋収縮です。

この2つの局面のトレーニング効果を比較した研究は多数されており、なんとダンベルを下げる動作(伸張性筋収縮)の方が損傷は多く見られるという結果が報告されています。挙げるより下げる動作の方が楽に感じますが、下ろす方が筋損傷が多くなるということになります。

このように伸張性収縮では激しい損傷が起きますが、損傷を受けたままでは大変なので、損傷後その部位を再生し、さらなる負荷に耐えられるように以前より強くなる反応が起こります。これを超回復といいます。(超回復については通勤時間ウォーキングで詳しく説明しています。)

ウエイトトレーニングを週何回するかは、損傷を受けてからの回復の程度により個人差がありますがこの超回復の理論をもとに週2-3回するのが良いと一般的に言われています。

ちなみにこの再生の過程で筋肉痛が起こります。筋肉痛は一種の炎症反応で、トレーニングによっては解された筋肉を十分に壊して、そこから作り直すという反応です。この炎症反応はトレーニング後24-48時間後くらいがピークになるので、筋肉痛が1日から2日後に表れるのはこのためです。

3.筋肉に疲労物質を蓄積させる

8-12回以上で行うトレーニング
トレーニング直後に使った筋肉が膨れ上がっている感覚を体験された方は多いのではないでしょうか。これはパンプアップといって、筋肉に栄養を送るために一時的に多く使われている筋肉に水分(血液)が集まり、乳酸などの運動を制限しようとする代謝物が蓄積することで起こります。これらの代謝物が蓄積するのに比例して成長ホルモンの分泌が増すのです。

■筋肉の成長には欠かせない成長ホルモン
8回-12回できる重さでインターバル1分のトレーニングが成長ホルモン濃度を高める

筋肉の成長には筋肉そのものに刺激を与える事が大切ですが、もう一つ直接刺激を受けた筋肉ではない器官で分泌され、間接的に筋肉に肥大のシグナルを与えるのが成長ホルモンです。この成長ホルモンが乳酸の蓄積に比例して分泌されるので、重い重量を上げるだけではなく、8回-12回できる重さ、またはそれ以上の高回数でトレーニングすることも必要です。

4.筋肉内を低酸素状態にする

加圧バンド
加圧トレーニングは写真にあるバンドを腕や脚の根本に巻き、血流を制限しながらトレーニングを行います。
※加圧トレーニングは株式会社サトウスポーツプラザの登録商標であるだけでなく、安全に行うには専門的知識が必要です。加圧の強さを誤ると過度な血圧上昇や血栓を生じる可能性がありますので、必ず加圧トレーニング指導者のもと行ってください。
加圧トレーニングの有効性
筋肉には持久力に優れ回復も早い筋肉(遅筋)と瞬発力に優れるが回復し辛い筋肉(速筋)があります。

筋肉が大きくなりやすいのは速筋の方です。しかし、筋肉は軽い重量を繰り返すような低強度で行った場合、遅筋が優先して使われるため(サイズの原理)比較的重量が重くてかつ成長ホルモンを多く分泌させる8-12回上げられる重りで行う事が一般的に勧められています。

しかし、膝や腰をケガしていて重りを持てないとか、短時間で効果を出したい場合もあると思います。そこでお勧めなのが加圧トレーニングです。

加圧トレーニングでは専用のバンドを用いて、腕や脚の付根などの基部を締めつけ血流を制限することで、筋肉を一時的な低酸素状態にしてトレーニングする方法です。効果の一つとして、血液によって酸素が運ばれないと筋肉は回復できないので、回復に優れた遅筋が使われづらくなります。つまり速筋が優先的に使われるのです。

血流を制限し筋肉に酸素が運ばれないため、力もかなり落ちてしまうのですが、それでも速筋繊維が有効に活用されます。また、回復が促されないため、トレーニングがこれ以上続けられないオールアウトまで至る時間も短くなり、短時間でトレーニングが終了できます。

そのため、関節に不安がある方や時間が限られている方にお勧めできる方法です。また、トレーニングで対象とする筋肉から力を抜かない方法(一般的に筋肉に効かせると言われる方法)でもこの効果はもたらされます。

○○法などに偏ったトレーニングはしない

このように様々なトレーニング方法がありますが、効果も体に与える刺激も異なります。○○トレーニングなどの偏ったトレーニング方法だけでは特定の要素しか刺激されないため、効率よく筋肉は発達しません。偏ることなく、トレーニングを行う事が重要です。

様々なトレーニング方法がありますが、今回多少整理できたかと思います。結局いろいろな手法を取り入れてトレーニングをしないと筋肉は効率よく発達しないということですね。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。