オススメは1.4TB、日本ではTCTとの組み合わせで
国内市場へは、最高出力170ps/最大トルク250Nmを発生しマルチエアを備える新型1.4リッターターボと、最高出力235ps/最大トルク340Nmの1.7リッターターボが導入されるよう。マルチエアは電子制御油圧システムにより吸気バルブの開弁時期やリフト量をコントロール、最高出力を10%向上させつつCO2排出量を約10%低減している |
今回はいずれも6MT仕様での試乗となった。
Cセグメントとしてオールマイティに使え、なおかつアルファロメオらしさも存分に楽しめるのはマルチエア1.4TBの方だ。動き出してすぐに分かるスムースでしっとりとした走り味は、147時代からは想像もできないレベル。開発者が盛んにゴルフとの対比を口にしていたが、なるほどそのレベルに達している。高速巡航もクラストップレベルだ。
ひとたびスポーツドライブを試みれば、前輪と両腕がダイレクトに繋がるような感覚でハンドリングを楽しむことができる。低回転域からのトルクも十分で、これだけ走れば“上のグレード”は要らないと思える。ちなみに、このグレードにはアイドルストップ機能も採用されていて、実用燃費の向上も図られた。
1750TBはスポーツシャシーということもあり、やや硬めの乗り心地に終始する。とはいえ、不当に硬いというほどではなく、乗り手がその気にならずにいる間は、しなやか&上品に走らせることもできる。昔からのヨーロッパ車好きには“丁度いい”具合かも知れない。モード別走行制御DNAスイッチをN(ノーマル)にしておけば、ハンドルさばきも軽やかに、シティカーとして十分使えるしなやかさだ。
DNAをD(ダイナミック)にすれば一転、過激さが弾け出る。ガチッとしたハンドルの手ごたえ、トルクをガツンと増すエンジン、その他電子制御系は軒並みスポーティに振られており、いきなり飛び切りのホットハッチに変身するのだった。それでも、Q2ほかアルファ自慢の電子制御システムによって、コーナーをどんどん内側に切り込んでいくことは、大方の場面において、保証されている。
6速乾式デュアルクラッチのアルファTCT(Twin Clutch Technology)を備えたミトの追加モデル。エンジンはジュリエッタにも積まれている1.4リッターエンジンを搭載した。国内にはスプリント(288万円)とコンペティツィオーネ(305万円)をラインナップ |
アルファTCTが組み合わされるのは、今のところ前者のマルチエア1.4TBのみだろう。同時に試したミトのマルチエア+TCTは思いのほか上出来で、楽しさも倍増であった。それから想像するに、ジュリエッタのオススメは、マルチエア1.4TBのアルファTCT付きである。ネーミングの可愛らしさも手伝って、女性ウケもすると思う。もちろん、過激がお好きな熱心アルファマニアには、クワドリフォリオ・ベルデの1750TB+6MTが間違いない選択だ。