コルベット級のアメリカ濃度
2月から国内でも正規販売されることとなったフルサイズピックアップトラック。本国ではハイブリッドも用意されるが、国内でのラインナップは2列シートで6人乗りのエクステンドキャブ(4WD)のみとなる。価格は399万円。サイズは全長5840×全幅2030×1880mm。ちなみにロールスロイスファントム(ショート)の全長は5835mm |
シボレーシルバラードが日本自動車輸入組合主催の輸入車合同試乗会でリストに載っているのを見つけて、仰天した。まさか、ハイブリッドカーしか受けない時代に、こんなクルマが日本に正式導入されたなんて。しかもお値段399万円。味も素っ気もない仕様だが、そこがまたいい。素でも日本人には濃い濃い味付け。輸入元の決断というかほとんど蛮勇に、頭が下がる。
実際、こんなにでかいクルマは、めったに乗れるもんじゃない。愛車としては事実上無理。仕事で借りるにしても都会じゃ駐車場に困るからご遠慮。日帰りで乗る(つまり持ち帰らずに、借りて仕事して返す)パターンでいえば、ロールスロイスファントム(長さがほとんど同じ)やマイバッハのようなものだ。
けれども、アチラが“腫れ物”に触るようなある種の警戒感があったのに対して、このトラックには、サイズを超えたフレンドリーさを感じてしまう。狭い日本じゃ圧倒的に“使いたくない、使えない”けれども、すぐに返したくなるようなクルマでもない。持ち前の明るさ、というか、でかいヤツ特有の包容力があるというか……。
でっかいなあ、とは思いつつも、気を遣うことがない。トラックは、アメリカで若い人たちが免許を取って最初に乗るクルマだ。それは、土地が広大で道が広く単純、という環境もあるだろうけど、このカタチが醸し出す陽気さというか、カジュアルさが根本的に受け入れられているからだとも思う。
そういう意味ではシボレーコルベット級にアメリカの匂いを、かなり濃密に楽しめるクルマだ。そういえば、室内の本当の匂いもアメリカくさい。乗り込めばアメリカの空港で借りるレンタカーを思い出す。
ボディカラーはブラック(写真)のほか、ブルー、ホワイト、シルバーを用意 |
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