魅力的なブリティッシュリアルスポーツ
英国のケータハム社が製造する2シーターライトウエイトスポーツがスーパーセブン。1.6、2.0、2.3リッターエンジンを搭載するモデルがラインナップされる |
ケータハムはご存知、ロータススーパー7の復刻版。そのプリミティブな存在感で半世紀にわたり、スポーツカーファンを魅了し続けてきたモデルだ。まるでフォーミュラカーのようないでたちが、いかにも硬派なスポーツカーらしい。
このたび、新しいインポーターが決まって、ベースモデルも400万円を切り、さらには前後の足回りをモダンにしたモデルも導入する。新しいインポーターの元、本国で人気のドリフトチャレンジやワンメイクレース(2010年より)も開催されるというから、楽しみにしたい。
英国のファービオ スポーツ カーズ社が送り出すファービオGTS。スペースフレームシャシーにカーボンボディを組み合わせ、フォード製3リッターエンジンを搭載する。全長4215×全幅1940×全高1170mm |
ファービオの名前を知っている人は、相当にマニアックなスーパーカー好きだろう。創業まもないブランドだが、作り上げたモデルはかなり気合が入っている。オリジナルシャシーのミッドにフォード製V6エンジンを積み、ボディパネルはオールカーボンという贅沢さ。いかにもスーパーカーらしい、それでいてユニークなスタイリングも魅力。お値段1470万円~と、それなりに値は張るが、重量1トンのミッドシップスポーツカーの走りには大いに期待できそう。
2+2レイアウトにトヨタ製3.5リッターエンジンをミッドシップに搭載するロータスエヴォーラ。日本では'09年夏頃の発売予定 |
そして、軽量コンパクトスポーツカーの雄、ロータスからは、エンジンをミッドに積みながら2+2のパッケージを持つ、現時点で世界唯一の4シーターミッドシップカー、エヴォーラだ。ロータスの次世代向けシャシーをはじめて使ったモデルで、280psのトヨタ製エンジンに6MTが組み合わされ、0→100km/h加速は5秒を切るという韋駄天ぶり。ABSやトラクションコントロールなども備わる。あのニュルブルクリンクで精力的なテストをこなした。価格は900万円以下となる予定だ。
そのほかにもイギリスにはTVRなど小さなブランドがいくつも存在する。産業としての自動車がすっかり廃れてしまったイギリスで、今もなおリアルなスポーツカーが作り続けられているという皮肉。産業として大きくならなかったから(実用ではなく)楽しみに耽ることができた、というよりも、自動車文化としてのスポーツカーがイギリス国民に深く根付いているからだと言いたい。
ポンドも歴史的な下落を見せた。ひところの半額である。今年は、否、景気が回復するまでは、“安くなった”イギリスのスポーツカーでメリハリのある生活を実践してみるのも一興だろう。