Audi(アウディ)/アウディの車種情報・試乗レビュー

“人気のTT”に加わった高性能なTTS(2ページ目)

クーペが不人気の日本市場において、異例のベストセラーとなったアウディTT。新たに追加された高性能モデルTTSに乗って、人気の理由を体感してみました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

週に一度は“朝箱”に行きたくなる走りとスタイル

アウディTTS
最高出力272psを発生する2リッター直噴ターボエンジンを搭載。専用チューンのマグネティックライドやクワトロ(4WDシステム)などを採用するTTS

アウディTTS
アウディTTS
LEDを採用したポジションランプなどが特徴的なエクステリア
高性能版TTSへの注目度は、とても高い。特に東京では、TTシリーズとすれ違うことが多く、女性ユーザーは無関心だけれど、男性ユーザーは羨望の眼差しを向けてくる。知らない人にも、それなりにアピールしているようだから、ちょっとしたスタイリングの違い=凄みが利いているようだ。

都合1500km近く乗ってみたが、やはりワインディングやカントリーロードが最も気持ちよく乗れた。ノーマルに比べて明らかに限界が高く、それゆえ安心しつつもスリリングである。サウンドも心地よく体に響いてくる。もし、このクルマが自分のガレーヂにあれば、おそらく、週に一度は“朝箱”に行きたくなるだろう。

休日の早朝、箱根に赴き、芦ノ湖スカイラインあたりを走って、カフェジュリアでコーヒーを飲み、ハイランドホテルあたりでブランチ……。乗って楽しく、眺めて格好いいTTSは、一人でハコネを楽しむのにもってこいの存在だ。

東京~箱根を高速で往復した結果、ひとつだけ気になることがあった。それは、高速クルージング時の乗り心地。かっ飛ばす分にはもちろん問題ない。鬼のような接地感は大変心強い。けれども、軽く流すような走りを許容しきれていない。はっきり言って、腰に来るほど硬かった。同乗者も、ちょっと閉口気味。アウディの最新モデルは、たいてい、極上のグランドツーリング性能を持っている。それだけがTTSに欠けているというところが、実に惜しい。

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