すべてはアルミのおかげ

初代TTのイメージを踏襲しつつ、ボディサイズは120mm長く、75mm幅広くなった
クーペモデルより9ヶ月遅れとなる2007年6月、アウディTTロードスターが、ようやく日本でも発売されました。

さて、TTというクルマを少しおさらいしましょう。1999年秋にデビューした初代TTは、非常にユニークなスタイリングを持つスポーツカーとして、大いに話題となりました。そしてほどなくソフトトップを持つロードスターが追加されました。しかしながらTTは、内容的にはアウディのベーシックカーであるA3をベースとするスポーティバージョンという域を脱していなかったのも事実。それでもアウディ自身が驚くほど、世界的に好調な販売を見せたようです。その最大の要因は、やはりユニークなスタイリングにつきるでしょう。

そして2代目TTは、好評だったエクステリアをキープコンセプトに、スポーツカーとして相応しい素性を追求して開発されています。

注目すべきはボディ構造です。初代TTはA3がベースゆえ一般的なスチールボディでしたが、2代目では、アウディのフラッグシップサルーンであるA8でも知られる、「ASF(アウディ・スペース・フレーム)」が採用されたのです。

ただし、A8のようにオールアルミではなく、TTではアルミとスチールを約7:3で組み合わせています。具体的にいうと、ボディ支持構造をアルミの押し出し成形材とアルミダイキャスト材が形成し、アルミ製シートパネルで接続部や全体形状を構成。そして、フロアパネル後方およびドアパネルなどをスチールとすることで、重量バランスの適正化と強度を確保したとのこと。また、先代よりもひとまわりボディサイズが大きくなっているにもかかわらず、車両重量は1410kgと、わずか10kgしか重くなっていません。

初代比120%も丈夫になった!?

トランクエンドに高速巡航時に自動的にせり出す電動スポイラーを内蔵
そして、初代TTに比べてボディ剛性も大幅に向上しています。しかも、走行性能に大きく関係する「ねじれ剛性」については、クーペでは初代に比べ50%UPだったところ(それでも十分に向上していますが……)、ロードスターでは120%UPとなっています。ベースとなるボディが一般的なモノコック構造ではなくスペースフレーム構造ゆえに、ルーフがなくても高い剛性を実現できるのです。つまり2代目TTにおいて、クーペよりもロードスターのほうが、ASFを得たことによるメリットが大きいといえます。

実際、ドライブフィールにおいて、2代目TTロードスターの剛性感は感覚的にもクーペとほとんど変わらないほど。初代TTでは、ハンドリング云々をいう以前に、普通に走っていても剛性不足によるボディシェイクが収まらず、ずっと振動していたことを思うと、劇的な進化といえるでしょう。

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