VW(フォルクスワーゲン)/パサート

“ツウの極地”なパサートヴァリアントR36(2ページ目)

フツウの人にはただのワゴンにしか見えない、歴代VWの市販モデル最速を誇るパサートヴァリアントR36。ツウの究極とも言えるこのクルマに乗って、これからのクルマにとってとても重要な要素も体感しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

気分の盛り上げ方が上手い、満足度のある走り

パサートヴァリアントR36
最高出力299psを発生する専用チューンされた3.6リッターFSIエンジンに6速DSGを組み合わせ、0-100km/h加速は5.8秒と市販VWモデル最速を誇る

そのオーラに触発されて、R36を初めて試乗したときのことが思い出された。特徴的なスポーツバケットシート、太いレザーハンドル、アルミのダッシュボード、Rシリーズロゴ入りステンレスペダル、などを奢ったハード&スポーティイメージのインテリアがまず思い浮かぶ。ダッシュボードはアルミニウム仕上げよりもエンジンターン仕立てが好みだが、そもそもこれみよがしの派手さを嫌う人が選ぶクルマでもあるだろうから、これくらい抑え気味でもいい。

野太いサウンドが“違う”VWで走ろうとしていることを、否が応でも思い出させる。こういう演出、VWは意外と得意だ。

300馬力というスペックそのものは、もはや驚くべき数字でも何でもない。国産車でも3.5リッタークラスのV6ならフツウに謳っている。けれども、加速時の迫力の出し方、気持ちよさの感じさせ方、気分の盛り上げ方が、上手い。実際の数字や速さ以上に満足度がある。こういったことは、これからのクルマにとって、とても重要な要素でもあると思う。何しろ、絶対的に速いことの価値は、VWグループの威信を賭けた2億円のベイロンが400km/hを実現したことでひとつの解決――クルマ誕生以来の人間の欲望の行きついた先として――をみたのだから……。

パサートヴァリアントR36
4WDシステム(4MOTION)や専用スポーツサスペンションも装着される。サスペンションにはダンパーの減衰力とステアリングの操舵特性を、3つのモード(コンフォート、ノーマル、スポーツ)に切り替えることが出来るアダプティブシャシーコントロール(DCC)を装備した

自分が本当に満足できるポイントは何か? クルマと真剣に向き合って、見つけて欲しい。そうすれば、次のクルマも見えてくる。
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