BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

ずっと乗っていたくなる楽しさのM3セダン(2ページ目)

「一週間ガイシャオーナー」でBMW M3セダンに乗って、これぞM!というべきエンジンフィールの虜になってしまったようです。ガレージに放っておくのがもったいなくて、雨の休日も走り出してしまいました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

撫でてあげたいくらいに心地よいエンジン

M3セダン
Mスポーツシートを装着。6エアバッグや全席3点式シートベルト、それらを統合制御するシステムなど安全装備も充実

どこに行こうか。走れさえすればいいのだから、どこでもいい。けれども、行き先を決めないドライブは嫌いだ。人生と同じで、目標を決めた方がドライブも楽しい。今、M3を運転すること以外にやりたいことは?

温泉かな。そして、温泉といえば草津のあの酸性の湯が大好きだ。道中の軽井沢あたりには友人も多い。買い物だってできそう。そんなことを考えているうちに、クルマは首都高5号線から関越道を目指していた。

M3のエンジンは、とにかくタウンスピードからさえずるようで体に心地よく響く。人間が心地よく感じる振動や音や波を、BMWはよく知っているんだな。だから、高速道路で、雨だから慎重にゆっくり走っていても、ルルルルルーと気持ちいい。ホント、運転していて気分がいい。エンジンを撫でてあげたいくらいに。

上信越道に入ると、ようやく雨がやんだ。道は適度にワインディング。妙義の山の景色が、私は好きだ。BMWは道が曲がっていると、さらに楽しい。腰を中心に、くいくいと走る。すべての動きが、自分の掌にあるという快感。掌握するとは、正に言い得て妙だ。

軽井沢で高速を降りる。雨が上がった。お気に入りのステーキハウスで昼食。オージービーフだが安くて旨い。昼食後、そのまま鬼押出し方面へ。浅間山の景色を楽しみつつ、アベレージ速度を上げていく。ついつい景色を楽しむことも忘れがちだ。気がつけば、クルマとの対話を楽しんでいる。そこでも主役は、エンジン。BMWの場合、最初がそれで、次にシャシー、つまりはハンドリングである。

途中、万座ハイウェイに寄り道。ハンドリングをもっと楽しむ。駆けぬける歓びが何たるかを再認識。排気音が木々の中、軽快に響いている。もちろん、窓は全開。新鮮な空気と、心地よい空気の振動を、一刻たりとも感じ漏らしたくない。

軽い疲労とともに、草津温泉へ。老舗の旅館ホテルに向かう。部屋へ通されるのももどかしく、足湯に浸かった。最高の瞬間だ。

もちろん、ただ草津に来ただけならば、ここまで気持ちいい気分には浸れない。道中あってこその目的地。何事もプロセス、つまりは中身が大切だ。それもまた、人生に似ている。

数日後、私は機上の人となってヨーロッパを目指す。成田までもM3で来てしまった。

M3セダン
フロントやサイドのエアインテークや張り出したホイールアーチ、デュアルテールパイプなどMモデルらしい外観
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