クーペフォルムの4ドアセダン
今年1月に開催された北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で発表されたVWパサートCC。“トルネードライン”と呼ばれるショルダーラインが特徴的 |
パサートCC登場!と聞いて、多くの人は流行りのCC(クーぺ&カブリオレ)を思い浮かべたはず。おお、ついにパサートまで採用したか、もう少し突っ込んで、ついに4ドアにもCCの時代か、なんて期待した人もいたかも知れない(事実、4ドアのCCコンセプトカーをヨーロッパのショーでは何度も見かけた)。
紛らわしいが、パサートのそれはコンフォートクーペの略だという。簡単に言ってしまえば、まるでクーペモデルのように背が低い4ドアサルーン。そう聞いてM・ベンツCLSクラスを思い出した人は偉い。正にそれのVW版。ジャガーXFあたりもそんな感じで、今後いろんなブランドからも登場しそうな新しいセダンのスタイルだ。もっとも、日本人にとっては新しくも何ともない。'80年代に一世を風靡したカリーナEDのコンセプトである。
パサートをベースに全長と全幅、トレッドを拡大しつつ、全高を50mmも下げた。結果的にセダンとは全く異なるサイズ感となった。室内に目を向ければ、CLSクラスと同様に、後席を真中でしっかりと区切った完全4シーターだ。
それにしてもスタイリングはCLSによく似ている。サイズも、やや小さくなっている程度。VWエンブレムさえ隠してしまえば、CLSKだと言っても通用しそう。それどころか、最上級グレードの3.6リッター直噴V6+6速DSG+4モーション(4WD)モデルなら、本家本元のCLS350と比べて馬力で大幅に上回り、車重も100kgは軽いことから、動力性能では圧倒するはず。“CLSの350に乗るくらいなら、いっそ……”と考えてもおかしくない。
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