性能+αの高性能マシンにも注目
とまあ、駆け足で08年上期をみてみたが、個人的には高性能マシンにも注目しておきたい。中でも、シボレーコルベットZR1、アルファロメオ8Cコンペ、アストンマーティンDBSというFR3モデルの日本での試乗が待ち遠しい。いずれも、性能+αをみせてくれそうな気がする。
09年モデルとして追加される予定のシボレーコルベットZR1。新開発6.2Lスーパーチャージャーエンジンは最高出力620ps |
2003年のフランクフルトショーに登場したコンセプトモデルをほぼそのままの形で市販化した、世界限定500台となるアルファ8Cコンペティチオーネ。日本には70台が割り当てられたが既に完売 |
ロードモデルのDB9とレーシングモデルのDBR9の中間に位置し、ヴァンキッシュSに替わるフラッグシップモデルとなるアストンマーティンDBS |
日産GT-Rで再び、高性能車への関心が高まる一方で、何をこの時代に!という声も聞こえてきた。時代はエコじゃないのか!?という批判も当然あろう。しかし、東京ショーをみても判る通り、内外自動車メーカーの商品戦略は両極端である。
なぜか。それはクルマというものの存在理由とよく似ている。本来、クルマは自由に移動するための道具である。それがいつしか、テロワール的に趣味や文化として根付いた。移動の手段としてのクルマにはエコを強く要求しなければならない。が、趣味や文化といったある意味無益なもの=人間のエゴに対してはどうか。
要するに、高性能という必然がいつしかムダに変わり、趣味や文化へと変質した。そこから豊かな人間活動が生まれるという側面もまた事実である。そういう意味で、今年あたりからそろそろ我々も、実用のクルマと趣味のクルマをきっちり論じ分けて紹介していかなければならない。 その上で、知恵ある人間としては、その両方を融合するモノ造り、環境造り、精神造りを考えていかなければならないと思っている。
ドイツ車は、そのあたり、既に精力的に取り組んでいる。