輸入車/注目の輸入車試乗レポート

夜空とネオンがよく似合うリンカーンMKX

日本におけるリンカーンの第2弾となる、クロスオーバービークル「MKX」。忘れかけていた“男のツールとしてのクルマ”が蘇ったような、夜が似合うクルマに横浜で試乗しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

仕草は“フツウ”な、夜が似合うMKX

リンカーンMKX
フォードのプレミアムブランド、リンカーンのクロスオーバーモデルがMKX。全長4750×全幅1925×全高1705mm。写真の外板色(ライトアイスブルー)は20台限定モデル

リンカーンMKX
リンカーンMKX
リンカーンスターをデザインキーとした格子状グリル、直線的なLEDのテールランプなどが特徴的な外観デザイン
初めてリンカーンMKXを見たのは夜だった。ギラリと光るド派手なマスク、バックランプが赤い稲妻のように奔るリア回り、そしてヌメッと浮かび上がった黒い肢体を見て、「コイツは夜の繁華街、それも若い街が似合う」と即座に思った。ライフスタイルとしてのエコがもてはやされるこのご時勢、ややもすればスマートでクリーンイメージのクルマだけがもてはやされる傾向にあるけれども、こんなにギラギラした、脂ぎった、欲望のつまった、クルマもあっていいと思う。忘れかけていた男のツールとしてのクルマ感が蘇るようだ。
リンカーンMKX
最高出力269psの3.5リッターエンジンに6ATが組み合わせられる

とは言うものの、いかにもアメリカンな兄貴分ナビゲーターに比べれば、相当に乗用車ライクなライドフィールである。驚くほど静かで、一体感もあり、フラットな走りをみせた。不必要に不安なロールを感じさせないのも今どきのクロスオーバーである。走り始めに、ややゆるっとした動きがあって、そこだけはアメリカ車を感じるが、それ以外は至ってフツウ。そこをどう評価するか、がポイントだろう。

カタチも、ちょっとした仕草もアメリカンだから好き、となるか、どうせなら全部アメリカ人らしく振る舞ってよね中途半端だわん、となるのか。個人的には後者が好きだけれど……。だって、グローバル化だなんて騒いで、結局いいこと無かったじゃない?!

スペック以上に幅を感じるから、最初は車両感覚にとまどうかも。ピラーが寝ていて、フロントウィンドウが平べったいから余計にワイドに思えるのだろう。慣れの問題ではあるけれど……。3.5リッターのV6エンジン、アイシン製6AT、トルクスプリット式4WD、とメカニカル的にも過不足はない。パフォーマンスにも、これと言って不満はなかった。

とにかく夜に乗り回したいクルマだ。夜空とネオンが本当によく似合う。逆に言えば、昼間は悲しいくらいに似合わない。何だかキャバ嬢のような話だが、そういう魅力があってもいい。

リンカーンMKX
左右対称をモチーフとしたダッシュボード回り。サテンシルバーやクロームパーツで演出される

日本市場でのMKXのポジションは次ページ
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