DEH-P01搭載のデモカーのサウンドは?
DEH-P01をメインユニットに使用したシステムをアウディTTに組んでいたので、その音を聴いてみた。組み合わせたスピーカーはカロッツェリアTS-V171A(63,000円)とTS-ST910。TS-V171Aは純正スピーカーとの交換が簡単なカスタムフィットタイプの17センチセパレート2ウェイシステム。このアウディTTは、よりいい音を求めるために、簡単なトレードイン取付ではなく、アウターバッフル化の加工を施してウーファー部をドアに取り付けている。トゥイーターはAピラーへインストールし、その近くのダッシュボード上にはスーパートゥイーターのTS-ST910を設置。トータルでフロント3ウェイのマルチアンプ構成だ。デモカーのスピーカーはTS-V171A |
スーパートゥイーターのTS-ST910も搭載 |
その音は、まだ未調整で荒削りな面があるものの、再生レンジが広く、分解能も十分。そしてなにより、ぐいぐいと迫ってくる感じの勢いの良さが魅力だ。あくまでもピュアでフラットなカロッツェリアXとは明らかに方向性が異なる音作りで、音楽をエネルギッシュに楽しく聴かせる方向の音。低音に躍動感があり、中高域にはメリハリがある。スーパートゥイーターの効果か、音場感も素晴らしく、ライヴ音源などを聴くとホールの大きさを奥行きと伴って感じさせてくれる。
こんな音をクルマの中で実現するには、以前なら最低でも50万円の出費は必要だっただろう。ところが今回のシステムをトータルしてみると、215,250円。ケーブルやデッドニング材等の部材があるから一概にはいえないが、専門店に施工をお願いしたとして、30万円+αといったところか。もちろんスーパートゥイーター無しでも十分に高音質が楽しめるし、よりリーズナブルにインストールできる。スーパートゥイーターの代わりにパワードサブウーファーやリアスピーカーをプラスする手もありだ。しかし、以前はこれだけのクオリティの音を車内で楽しもうと思ったら50万円程度の出費は覚悟しなければいけなかったもの。そういう意味では、抜群にコストパフォーマンスが優れた機器だと思う。
USB装備でiPodの音楽をデジタル伝送
このDEH-P01は、USBを装備しているのも魅力。iTunesで管理している音楽など、パソコンに貯まっている音楽ライブラリを、iPodやUSBメモリーにコピーして、簡単にクルマの中で楽しめてしまうのだ。iPodは、iPhone3GやiPod touchなど、最新機種に対応(iPhone3GSは未確認)。しかもiPodからデータをデジタルのまま抜き出し、DSPによるデジタル補正を行ったうえで、D/Aコンバーターでアナログ信号に変換するという構成。もちろんサウンドマスタークロック回路を通るから、iPodのデジタル信号のジッターも抑えられる。最新のiPodやiPhoneの接続にも対応 |
しかも対応する音声ファイルは、WMA/MP3/AACの圧縮音源だけではなく非圧縮のWAVもOK。圧縮による音の劣化が気になるなら、CD同等のリニアPCM音源のWAVでiTunesに読み込めばいいし、圧縮しても音質劣化はほとんど気にならないなら、AACなりMP3なりで読み込んでおけば、iPodに保存できる曲数も増える。音質最優先か、曲数をとるかは、個人の自由だ。
iPodコントロールモードは使い勝手バツグン
iPodコントロールモードを採用しているのもうれしい点。iPhone/iPod touchなら、カバーフローで選曲できる。つまりiPhone/iPod touchを、選曲用のタッチパネルコントローラーとして使えるのだ。しかもiPhone/iPod touchをモニター代わりに、ビデオファイルを楽しむこともできる。iPhoneなら「いつもナビ」などのナビアプリも使える。つまりDEH-P01+iPhoneがあれば、高音質オーディオ+ミュージックサーバー+通信ナビ+ビデオファイル再生のシステムが完成するというわけだ。そんなわけで、カーオーディオ専門誌の「オートサウンド」で、iPod対決という企画をはじめたことは以前の記事でお伝えしたが、その対決に勝利(笑)するべく、僕はメインユニットをDEH-P01に変更する予定。現時点では、iPodの音楽をいい音で楽しみたいならベストチョイスの機器だと思うし、性能と調整能力を考えると、ものすごくお買い得だと思う。
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