カーナビ・カーオーディオ/カーオーディオの知識

これからはカーオーディオもエコの時代(2ページ目)

日本テキサス・インスツルメンツがメーカー向けに生産を始めた小型・省エネの4chクラスDアンプの発表会に潜入

石田 功

執筆者:石田 功

カーナビ・カーオーディオガイド

エコな車載用クラスDアンプの量産出荷をスタート

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クラスD駆動で省電力・省スペースを実現したTAS5414
今回、日本TIが発表したTAS5414/5424というデバイスは、車載用オーディオメーカーに供給するための、自動車向けクラスDパワーアンプだ。従来、カーオーディオ用パワーアンプは、内蔵、外付けを問わず、クラスAB動作が主流。それに比べてクラスD動作は変換効率に優れているため発熱が少なく、クラスAB動作と同じ出力を引き出すのに、大幅に少ない消費電力ですむ。しかも小型・軽量。つまり、エコなパワーアンプなのだ。

最近の純正カーオーディオは凝っていて、8スピーカーや10スピーカーといったマルチスピーカーのシステムがオプションで用意されていたりする。またDVDビデオや地上デジタル放送の普及が進むと、当然、クルマの中でサラウンド再生という要求も高まってくるわけで、5.1ch、6.1chなど、チャンネルの数だけアンプが必要になる。

が、多チャンネルアンプを使えば、それだけ電流を消費するのでクルマへの影響もあるし、アンプ自体が大きくなるので、設置するスペースを確保するのも大変。また発熱が大きければ、トラブルの元にもなりかねない。ところが小型で消費電力が少ないクラスDアンプなら、これらの問題を解決できるというわけだ。

従来のクラスDアンプの弱点を解消

もちろん、クラスDアンプも完璧なものではない。ひとつはラジオなど、電波への影響。またアナログアンプに比べると高域の歪みが多いなど、クラスABなどのアナログアンプに比べると、オーディオ特性に劣るという面もある。

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評価用ボードでデモ。高音質で音楽を再生
しかし、TAS5414/5424はそれらの問題を解決したという。発表会では評価用の回路で試聴を行っていたが、高域の粗さも感じさせず、高域まで素直に伸びた透明感ある音を奏でていた。ちなみに、出力は最大で43W×4、定格で28W×4(4Ω、14.4V)だ。

このTAS5414/5424はすでに量産中。現段階ではまだ車名は明かせないが、来年発売される国産新型車の純正オーディオシステムに搭載されるのは決定しているというし、海外メーカーのカーオーディオにも、導入が予定されている。

これからはカーオーディオもエコの時代。クラスDアンプは、純正システムを中心に、どんどん増えていくはずだ。

【関連リンク】
・日本テキサス・インスツルメンツ
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