VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

最上質の実用車 ゴルフR32(2ページ目)

輸入車の定番のゴルフ。そのゴルフにV6 3.2L 250psの強力なエンジンを積んだ最上級車種が、ゴルフR32(サーティートゥー)だ。数日を共にしたR32は、きわめて上質な実用車だった。

執筆者:松本 明彦

存在感あり、クルマに乗る人を守るワッペングリル

全体のフォルムは、モノフォルムに近づく。歴代続く、安心感を与える太いCピラー。

新型も、歴代ゴルフ同様太いCピラーと、どこから見ても台形の安定したシルエットを持つ。しかし、バンパー、ヘッドランプといった各パーツは、ボディとの一体感を強め、ノーズとキャビンの構成も、フロントボンネットの角度をつけ、フロントウィンドウを寝かせ、Aピラー根元にR(曲面)をつけて、よりモノフォルムに近づけたモダンなフォルムだ。また水平基調だった歴代モデルから、新型は緩やかなウェッジシェイプ(楔形)基調になった。ボディはキャラクターラインも少なく、シンプルで張りのある上質な面だ。

歴代の水平基調から、緩やかなウェッジシェイプとなった5代目。

そしてドイツ車としては珍しい、長いフロントオーバーハングと短いリアオーバーハングが、ウェッジシェイプと共に前進感を強調。横から見たフェンダーとタイヤは面一(《つらいち》面が同一面で揃うこと)で、ほとんどパンパン。地面を掴むような踏ん張り感に溢れ、高い走りの実力を予感させる。

フェンダーとタイヤは、ほとんど面一。

フロントグリルは、最近フォルクスワーゲンが展開し出したワッペングリル。Aピラーからボンネットを通じ、グリルを通ってバンパー下まで続く、Vの字で縁取られるラインのグリルだ。実はこれは、初代ビートルの前から見たVの字のボンネットラインや、フォルクスワーゲン マイクロバス(タイプII)の同じくVの字のフロントのラインからの、テーマの引用。と同時に、同じグループのプレミアムブランド アウディのシングルフレームグリル同様、大きな顔、大きな口を暗示し、存在感を際出させる。また中央のシルバーメタルの太い水平ラインは、上質感を出すと共に、クルマに乗る人を守るガードをイメージ。フォルクスワーゲンでは、R32、GTI、パサート、クロスポロ、イオスと、このワッペングリルを展開するが、ブランドアイデンティティのイメージを共有しながらも、車種ごとにこのデザインはアレンジしていくようだ。

ワッペングリルは、存在感を際立たせ、クルマに乗る人を守るイメージ。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます