プレミアム感&程良いサイズのSUV(SAV)
意図的にキャビンをクーペのように後ろに配することでエンジンフードを長く見せているのは、やはりFR車を作り続けるBMWならでは。コーナーの先を照らすアダプティブヘッドライトは標準装備 |
デビューは2004年6月。兄貴分のX5(旧型)より全長で100mm短いものの、全幅はわずかに15mmしか短くなく、背は65mm低く、ホイールベースは25mm短いというサイジング。これはハリアー(現行)やアウディQ5よりも小さく、VWティグアンやトヨタRAV4(現行)よりは大きくて価格も上という、絶妙なポジショニングです。またエクストレイルはほぼ同じ大きさですが、あちらはアクティビティにより振ったモデルで、X3は価格も高いということもありますが、上品な路線を狙っています。
4WDはxDriveと呼ばれるもので、前後輪のトルク配分を無段階に調整することが可能。例えばアンダーステアが強いときは0:100とし、車の安定性を高めてくれます。さらにたとえSAVでも、前後の重量配分を50:50としているのは、さすがBMWといったところでしょう。エンジンは直6の2.5Lと3Lで、ミッションは5ATとなります。
勾配の急な下り坂では、全車に標準装備されているヒル・ディセント・コントロール(HDC)がABSを制御し、ブレーキを踏まなくても5~10km/hでゆっくりと降りていくことができます。 |
正直、以前の私はSUVやクロカンよりは普通のセダンやクーペのほうが好きでした。しかしX5以降、このX3にしろ、アウディのQ5やVWトゥアレグ、国産でも日産のデュアリスなどに乗るたびに「こういう車もいいもんだな」と、ついつい思ってしまいます。別にサーフィンも山登りもスキーもしないのに、これを買ってそんなスポーツを楽しむ人生もいいものだ、なんて考えてしまうほど。それくらい、これらの車はセダンライクな乗り味なのです。
とはいえ、その乗り味だけで私がX3を勧めているのではありません。次ページでX3の魅力をさらに見ていきましょう。