シングルでもファミリーでも乗れるスポーツカー
RX-7にくらべてエンジンと乗員との距離を140mm縮めることやエンジンレイアウトを変更、また燃料タンクをホイールベース間に配置するなど重量配分には徹底的にこだわられています。4輪が張り出した強くて美しいスタイルの中に、マツダが理想とする重量配分が隠されているのです |
世界で唯一市販車に搭載しているロータリーエンジンは、通常のエンジンに比べコンパクトに設計できます。そのため、デザインの自由度が増し、他車に比べて美しいプロポーションが作れるというわけです。ロータリーエンジンが初めて搭載されたのは、1967年に登場した初代マツダコスモスポーツ。『帰ってきたウルトラマン』で怪獣攻撃隊MATの“社用車”として使用されていたので、覚えている方も多いはず。RX-8は、そんなコスモスポーツの由緒正しい血統を受け継いでいます。
RX-8は、90年代を代表するスポーツクーペ・マツダRX-7(最初はアンフィニRX-7)よりもさらに小型化&軽量化&高性能化されたロータリーを搭載。しかも、RX-7より60mm後方&40mm下に配することなどで、フロントミッドシップのリアドライブと、前後50:50の重量配分を実現しています。スポーツカーとしての性能はRX-7より上ということが出来る性能の持ち主です。
タコメーターは1万回転まで刻まれ、中央に一番大きく鎮座。その針の横にデジタル表示のスピードメーターが備わります。艶やかなピアノブラックにシルバーの円が描かれたセンターパネルなど、インテリアにおいてもRX-8は“新しいスポーツカー”を提案しています |
登場は2003年4月。すでに7年が経っていますから中古車相場もかなりこなれてきました。100万円以下で修復歴なしのRX-8は、現行執筆時で46台見つかります。最安値は2003年式タイプE/10万km/4ATの65万円。210ps仕様となる4AT車のほうが若干安めですが、6MT&250psとなるタイプSでも、2003年式/5.5万kmで85.9万円から見つかります(5MT車は210ps。やはり4ATよりは少しだけ高め)。
確かにミニバンと比べたら狭いでしょうし、コンパクトカーよりは燃費は劣るのかも知れません。しかし、車って一体何でしたっけ? そんなことを考えさせてくれるRX-8を次ページでさらに見ていきましょう。