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日本に最適なプジョー1007が100万円以下

コンパクトなボディにドアは両側スライドドアのみ、という画期的なシティコミューター・プジョー1007。日本の車事情にぴったりなこの車が、登場3年でもう半額以下の、100万円以下で選べるようになりました。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

両側電動スライドドアを備えるコンパクトカー

プジョー1007 フロント
2002年のパリモーターショーでデビューしたコンセプトカー「SESAME」を、市販車にしたのが1007。コンセプトカーの時点で両側スライドドアや高い車高というスタイルは固まっていました
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はプジョー1007(絶版)を取り上げます。言わばトヨタラクティスや日産キューブのプジョー版。3年前の2006年に登場したのですが、残念ながら2008年に日本での販売は中止されています。新車時価格は1.4L車が199万円、1.6L車が229万円。それがもう中古車では半額以下の100万円を切っています。

3年持たずに日本撤退、しかも中古車で半額以下と聞くと、そんなに悪い車だったのかと誤解されそうですが、もちろん違います。販売中止の理由の一つはプジョーというブランドの、日本でのイメージがあるでしょう。同社の日本ブレイクのきっかけは名車205。そのためプジョー=ハッチバックのイメージが強く、それ以外のモデルはなかなか売れませんでした。加えて、当時はまだ金融危機の前で、ユーロが高く、売れていないのにこれ以上値上げをしたら…ということで日本導入を取りやめたという話もあります。

しかし、ドアを両側電動スライドのみとしたシティコミューターは、狭い道路事情や駐車場を抱える日本市場において実は画期的なアイデア。ラクティスより短いボディなのに、開口部は920mmと2Lミニバンクラスのリアスライドドアより広く、前席や後席へのアクセスがラクラクなのはもちろん、後席にチャイルドシートを付けることだって簡単にできる車です。

プジョー1007 リア
室内長は1800mm、室内幅は1330mm。助手席と後席は背もたれを倒せますから、長尺物も積めます。また後席を畳んで跳ね上げると、最大1192Lという大きなラゲージスペースも作れます
また、小さい車だと安全性を気にする方も多いでしょうが、そこは欧州車です。運転席&助手席エアバッグはもちろん、サイドエアバッグ、さらには衝突時にドライバーが膝をステアリングにぶつけないよう、ステアリングコラムエアバッグまで備わっています。そのほかフロントシートにアクティブヘッドレストを装備するなど、小さい車ならではの安全対策は万全です。

そんな、安全で日本の道路や駐車場にピッタリなシティコミューターが、100万円以下と格安。原稿執筆時点で同じ2006年式のトヨタラクティスと比べてみると、ラクティス1.5G Lパッケージが69万円で3.8万kmなのに対し、1007は1.6が98万円/3.6万kmで見つかります(いずれも修復歴なし)。30万円の差がありますが、そもそもラクティスの新車時価格は163.8万円ですから、本来なら65万円以上差があってもおかしくないのです。

わずか3年で半額以下にまで落ちてきたプジョー1007。画期的なアイデア、高い安全性、それでいて安い中古車というだけでなく、まだまだ魅力がたっぷりあります。次ページでさらに見ていきましょう。
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