多くの中古車関係者にとって大変残念なことですが、メーターバックをする業者は、極々一部(だと思いたい・・・)ですが実在します。最近、警察による調査が本格化した結果、摘発を受けて廃業に追い込まれる業者が発生したこともあり、この件は中古車業界ではホットな話題となっているようです。
そもそもなぜ、警察に捕まるリスクを犯してまでメーターバックを行う業者が存在するかというと、走行距離の多い中古車を安く仕入れ、メーターを巻き戻して高い値段で販売すれば利ざやを稼げるからに他なりません。走行距離が多い中古車は販売店が仕入れる値段も安くなります。ところが、一般ユーザーはメーターが巻き戻されてもなかなか中古車の品質を判別することができませんから、距離を偽って売れば高く売れてしまうのです。

比較的ターゲットになりやすいのは高額な中古車。なぜなら、高額(300万円以上が目安でしょうか)なほど走行距離による価格差も大きく、悪徳業者にとって同じリスクを犯すなら見返りは大きいほうがいいから。10万km以上のものを3~6万km程度に戻す、というのが彼らの手口のようです。(これ以上巻き戻すとさすがにクルマの印象と走行距離の関係が素人目にも怪しく映るとか、またこれくらい巻き戻さないと金額差が明確にならない、という事情があるようです)。
自動車メーカーでもそのあたりを考慮して、高額車には巻戻しをしにくい構造のメーターを採用しているようですが、実際はいたちごっこ。「難しいといわれていた某高級車のデジタルメーターも巻き戻し可能に!」なんてチラシが中古車販売店向けに出回っているのを私も見たことがありますが、メーター戻し専門業者がいて、そこに巻き戻しを依頼する販売店があるというのが図式のようです。

ユーザーの立場としては当然そんなクルマは購入したくありませんよね。自衛策としては

●購入時にはスペックに記載されている走行距離だけでなく、使われた履歴のごまかしが利きにくいクルマの内装の状態をよく見る(時にシートのへたり具合や、日常的に手に触れるスイッチ類の磨耗具合など)
●できるだけ定期整備記録簿付の物件を探すようにする(過去の履歴が記されていれば虚偽とは考えにくい)
●オイル交換時にエンジンルームなどに張られる「次回交換は~km」といったシールを探し、時期と距離の関係が適切か判断する
●契約書に走行距離を確実に記載してもらい、購入後もきちんと保管する

といったことが挙げられますが、もし万が一購入後にメーター巻戻しが何らかの理由で発覚した場合、販売店が販売時にその事実を認識していてもいなくても車両の返品を要求できることになっています(ただし購入から1年以内に申し出ないといけない)。
ただ、メーター巻戻しが確かにあったということをユーザー自身が証明しなければならないのと、販売店に突っぱねられた場合は最終的には裁判に持ち込まなければならないなど、対応が面倒なのは間違いありません。

「もし万が一被害にあったら、泣き寝入りせずに行動を起こしてください。そうした一人一人の行動が、悪徳業者を廃絶するのです。具体的には公取協に相談することをオススメします。
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