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そのためハンドリングは206と違う。パワーステアリングは電動式としてはかなり自然なフィールだが、それを切った瞬間にスパッとノーズが向きを変えることはなく、ジワッと曲がっていく。その後はプジョーらしく、ペースを上げてもフロントの重さを感じず、切った方向に進んでいくのだが、コーナー途中でアクセルをゆるめてもリアがスパッとすべることはほとんどなくなった。ひとことでいえば、安定志向を強めたといえるだろう。
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乗り心地はスポーツモデルということもあって固め。路面からのショックの角をうまく丸め込んでくれるあたりにはプジョーらしさを感じるが、ボディ剛性が強靱であることを含めて、ドイツ車っぽい感じがした。ちょうどデビュー当時の307を思わせるフィーリングだ。ただしプジョーのスタッフによれば、自然吸気エンジンを積んだモデルはもう少し足がしなやかになるというから、307スタイルのような乗り心地になっているのではないかと思う。フランス車らしさを求める人には、こちらがおすすめかもしれない。
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今回乗ったのはターボだけなので、207すべての評価をすることはできないが、スタイリングには206の雰囲気を残しつつ、内装や走りは確実にレベルアップをはたしていることは確認できた。デザインにひかれて206を買ったものの、クオリティに不満を持った人にとっては、理想的な進化といえるだろう。日本へは1.4リッターが2トロニック、1.6リッターが4速AT、2種類のターボは5速MTとのコンビで、来年春から順次発売されるとのことだ。
photo:プジョー・ジャポン
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ガイド記事:プジョー207、デビュー
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