プジョー/プジョー

PSA/BMW共同開発エンジンのプジョー207(3ページ目)

ヨーロッパでは4月に発売されたプジョー207に、PSAプジョー・シトロエンとBMWグループが共同開発した1.6リッター・ガソリンターボエンジンが追加された。フランスで試乗することができた。

執筆者:森口 将之

207のプラットフォームは1007やシトロエンC2/C3と同じ、PSAプジョー・シトロエンの「プラットフォーム1」。つまりフロントサスペンションはマクファーソンストラットのままだが、リアは206のトレーリングアーム+トーションバーからトーションビーム+コイルに変わっている。さらにステアリングのパワーアシストは油圧式から電動式になった。



そのためハンドリングは206と違う。パワーステアリングは電動式としてはかなり自然なフィールだが、それを切った瞬間にスパッとノーズが向きを変えることはなく、ジワッと曲がっていく。その後はプジョーらしく、ペースを上げてもフロントの重さを感じず、切った方向に進んでいくのだが、コーナー途中でアクセルをゆるめてもリアがスパッとすべることはほとんどなくなった。ひとことでいえば、安定志向を強めたといえるだろう。



乗り心地はスポーツモデルということもあって固め。路面からのショックの角をうまく丸め込んでくれるあたりにはプジョーらしさを感じるが、ボディ剛性が強靱であることを含めて、ドイツ車っぽい感じがした。ちょうどデビュー当時の307を思わせるフィーリングだ。ただしプジョーのスタッフによれば、自然吸気エンジンを積んだモデルはもう少し足がしなやかになるというから、307スタイルのような乗り心地になっているのではないかと思う。フランス車らしさを求める人には、こちらがおすすめかもしれない。



今回乗ったのはターボだけなので、207すべての評価をすることはできないが、スタイリングには206の雰囲気を残しつつ、内装や走りは確実にレベルアップをはたしていることは確認できた。デザインにひかれて206を買ったものの、クオリティに不満を持った人にとっては、理想的な進化といえるだろう。日本へは1.4リッターが2トロニック、1.6リッターが4速AT、2種類のターボは5速MTとのコンビで、来年春から順次発売されるとのことだ。

photo:プジョー・ジャポン

リンク
ガイド記事:プジョー207、デビュー
おすすめリンク:メーカー・インポーター
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます