
インテリアに入ってまず気づくのは、仕上げが206よりはるかに上質になったことと、奥行きのあるインパネと低いウエストラインのおかげで開放感にあふれることだ。ここでも大きなクルマに感じる。シートはスポーツタイプで、クッションは固めだがサイズはたっぷりしており、左右のサポートもいい。リアはとくに左右方向の余裕を感じた。こちらもシートサイズは大きく、折り畳みはダブルフォールディングと、イスとしての機能に手抜きがないのはさすがだ。

走り出して最初に気づいたのは、206とは別次元といえる静かさとなめらかさ。BMWが開発にからんだエンジンはさすが違うと思ってしまった。しかもターボの段つきがほとんどない。2000回転以下からなだらかに過給が立ち上がるので、その後はどこから踏んでも、自然吸気を思わせる素直なレスポンスを返しつつ、2リッター級の強力なダッシュをもたらしてくれる。

それでいて、回転が落ちてもアクセルを踏み込めば過給の威力で速度をスルスル上げていけるのは、ターボならではのメリット。トランスミッションは5速MTのみで、206よりしっとりしたシフトタッチを持つのだが、それをひんぱんに操る必要はなく、高速道路は5速、山道は3速に入れっぱなしで、ほとんどの場面をこなすことができた。