プジョー/プジョー

私の愛車はプジョー206

現在の私の愛車はプジョー206。キュートなスタイルにひとめ惚れでした。

執筆者:岩貞 るみこ


ガイドのイワサダ、本業はクルマに乗るモータージャーナリスト。そして思いっきりその場の雰囲気に流されるタイプである。そのためバブル真っ盛りのころは当然のごとくポルシェ928に乗ってぶいぶい走っていた。911ではなく928を選ぶあたりが「911買ってもそれなりにうまく走らないと格好悪いし……」という腰の引けた根性の持ち主丸出しなのではあるけれど。

そんなぶいぶいな私が一転してコンパクトカー好きになったのはイタリアで過ごした2年間の衝撃に他ならない。イタリアで走り回るぼこぼこによれた中古のコンパクトカーの、なんと元気でいさましくカッコよいことか。これからはこれだ! コンパクトカーだ。帰国したらコンパクトカーを大プッシュしちゃうもんね! と鼻息荒く帰ってきたら、日本も変わっていた。目の当たりにしたのは日本全国総阿波踊り状態からバブル崩壊とともにやってきた突然の節約モード。環境とか安全とか、コストパフォーマンスとか自分スタイルとか、そんな言葉が重要視され、一大コンパクトカーブームがやってきたのである。ついにきたか、日本のコンパクトカーブーム!

さて、帰国と同時に私が購入したのは、ランチアのYというクルマ。Yと書いてイプシロンと読む。ランチアの作る小さな小さなコンパクトカーはイタリア在住のときに発表され、それはそれはの大人気であった。なんとかして手に入れるべく、でも、正規輸入はされていなかったので、結局、このクルマを日本でいち早く手にされていた自動車評論家の大先輩・徳大寺有恒氏に譲っていただいた。

続いて手に入れたのはルノーのルーテシア。ちょっと焦って手に入れた理由は、このルーテシアの最上グレードに革シートのバカラというのがあったのだが、商標の関係かこのモデルを最後に「バカラ」という名前が使えなくなるということだからだ。小さなクルマのくせにふかふかの本革シートはかなりお洒落。いつぞやホンダのシティが真似して革張りシートのクルマを作ったけれど、革をぱんっぱんに張った(ケチったか?)シートで優雅もラクシャリーもへったくれもない仕上がりでとほほな気分に陥ったのを覚えているが、このルーテシア・バカラはそれはそれは心地よい乗り心地のクルマなのであった。

そして現在もいまだなお乗っている帰国後3台目となるクルマはプジョー206である。なにが気に入ったってそのスタイル! 可愛い。ハンサムである。それに尽きる。日本でデビューする前にモナコにWRC(世界ラリー選手権)を見に行ったとき走っていた姿にひとめ惚れしたのである。ま、確かにWRCを走るマシンはいっぱい「速い仕様」にデコレートされていて市販車とは大違いだったのではあるが、それでも基本は同じ。ほぼ勢いで買ってしまったわけである。

モータージャーナリストを生業とする方は、同時に複数を所有したり、1~2年でどんどん乗り換える方がほとんどなのだが、私はどちらかというと気に入るとずーっと乗ってしまうタイプ。ものぐさなだけかもしれないけれど。結局この206も、先日自分で車検まで取りに行ってしまい(これはこれでかなり面白かったです)、相変わらず乗っている。まだまだしばらく、乗り続けそうな雰囲気。ただ怖いのは私の場合「ひとめ惚れ」があること。そうするとすぐ浮気かもしれないのだけれどね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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