サーキットで試乗したのは3ドア。ショートコースと、今月オープンしたばかりの本コースの、両方を走ることができた。ただし本コースのほうは、レーシングドライバー高木真一選手がドライブするペースカーつきだったから、慣熟走行に近かったといえるかもしれない。クルマはノーマルで、タイヤだけがコンチネンタルのスポーツコンタクトから、同じサイズのミシュラン・パイロットスポーツに変わっていた。
まずはショートコース。ここは昨年、ルーテシアRSで走ったことがあるので、そのときを思い出しながらコースインしたのだが、意外なほど操縦感覚が似ていた。同じメーカーのクルマだから当然ともいえるけれど、公道ではノーズが重い印象だったのに、ここでは予想以上に軽快に向きを変えてくれる。それでいてリアのスライドは急激にはこないので、安心してペースを上げることができた。
2リッターターボエンジンのパワーは、このコースではさすがにありあまっていて、ホームストレートと裏の短いストレート以外では、フルスロットルにすることはできなかった。でも、前輪のグリップと相談しながら右足に微妙に力を込めて、クルマを曲げ、加速させていくのは、それなりに楽しかった。ブレーキはペダルのタッチがだんだんソフトになったけれど、効きは最後まで強力なままだった。
メガーヌRSにはESPがついている。このESPはスイッチでオフにしても50km/h以上で自動的にオンになるので、オンのまま走ったのだが、作動感はとても自然。ある程度フスライドは許してくれる代わりに、スピンしそうになるとスロットルやブレーキをわからないように操作して、姿勢を安定させてくれる、スポーツ走行向きのセッティングといえるかもしれないが、やっぱりサーキットでは、カットできるといいと思った。