ルノー/その他のルノー車

ルノー・ニッサン連合の成功例コレオス

ニッサンの素材を使って、ルノーがこだわって調理したコレオスは両社のアライアンスの恩恵を強く感じさせる。価格も含めて「売れていい」SUVに試乗した。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

日本素材を使ったフレンチ

フロントビュー
ルノー・コレオスはニッサンとの提携をフル活用したニューカマー。SUVとは名乗らずルノー初のクロスオーバーと謳う。本格4WDモデルであり、CVT搭載車と見どころは数多い。全長4525×全幅1855×全高1710mmというディメンションはVWティグアンより大きく、アウディQ5より小さい。輸入SUVではコンパクトな部類に入るが、エクストレイルよりも横幅は70mm幅広だ
ルノー・ニッサン連合も早10年。その結晶ともいうべき、ルノー・コレオスが319万8000~359万8000円というかなり戦略的なプライスタグをぶら下げてデビューした。今回は前回の登場レポートを踏まえて、試乗記をお届けしたい。

2500ccエンジンにCVT、4WDというパッケージはニッサンとのアライアンスがあって実現した組み合わせだが、乗ってみるとそこはやはりルノーらしいフレンチタッチが感じられ、しかし、時々ニッサンの味わいも顔を出すという、いままでありそうでなかった料理に仕上がっている。CVTやサスペンション形式、4WD機構などニッサンの素材をベースにしながらも味付けはフランス人シェフが徹底してこだわっており、そうした成り立ちを知らなければ、よくできたフランスのクロスオーバーとしてすんなり乗れるかも!?しれない。

日本仕様への配慮

リヤビュー
メガーヌなど乗用車がもつダイナミックなスタイルと走りを採りいれたというスタイル。SUVだが、スマートで泥臭さとは無縁なのはいかにもルノーらしい。全長はコンパクトとはいえ、1855mmの全幅は住宅街では多少気を使う
しかし、停止状態から初めてアクセルを踏んでみるとオヤ?っと違和感を抱いた。欧州車ルノーとは思えず、Okm/h時からの出だしがいいのだ。それは飛び出し感ともいえるもので、いかにも日本車的で意外な感じと少々残念な気がした。ルノーに限らず欧州車に乗っている人が日本車に乗り換えると抱くはずの違和感は、日本と欧州の発進時Gの要求値がかなり異なるため。日本ではあまりアクセルを踏まない人が多いのだろう、つんのめるような発進性を持つクルマも少なくないが、欧州車ではあまりお目にかかれない。日本の要求やストップ&ゴーの多い道路事情を配慮した心使いのようだが、慣れれば楽に街中を走れる一方で、欧州車らしい、じわじわ踏めば望みどおりの加速を得られるよさも阻害されてしまっている。日本車からの乗り替えなら違和感なく、グランセニックあたりからの買い替えだと逆に慣れが必要かも。

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