いつしかあたりは暗くなり、夜へ突入。2CVはあいかわらずトラブルフリーで、スタート直後は最下位だった順位は、80位ぐらいまで上がっていた。ウサギとカメのお話みたいだ。ピットアウトのときには、いつしか拍手で送り出すようになった。7時30分すぎ、最後のドライバーチェンジ。この頃には隣のチームからも、拍手をもらうようになっていた。そして午後8時、2CVは無事にチェッカーを受けた。
ピットに戻ってきた2CVを、スタッフ全員が取り囲む。祝福するのかと思ったら、なんとクルマを揺らし始めた。どこまでもノーテンキなチームだ。その後、チームオーナーの良友さんやティーポ編集長の嶋ちゃんなどが、相次いで胴上げされる。そして最後は締めのあいさつ。2CVチーム監督のジミーは、感極まって涙を流していた。僕も胸に込み上げてくるものがあった。参加して良かった。
レースがこれほどおもしろいとは思わなかったが、それ以上に、いいチームに巡り合えて良かった。ドライバーはもちろん、ピットサインや給油担当、BXを直し続けたメカニックを含めて、チーム深谷は本当にすばらしい集団だった。僕にレースの楽しさを教えてくれたみなさん、本当にありがとうございました。またドライバーが足りなくなったら、呼んでくださいね。
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