入り口近くには、第2次世界大戦前に作られたモデルが並ぶ。1919年創立のメーカーだから、戦前型もたくさんある。デザインはこのとおり、その後のシトロエンと比べれば普通。ただしヨーロッパで初めて流れ作業による大量生産を行うなど、中身には驚きが隠されていた。
これは1934年に発表されたトラクシオン・アヴァン。前輪駆動車というだけでも当時としては数少なかったが、フレームがなく、パワートレインとボディを直結したモノコック方式だったことも画期的。おかげで当時のクルマとしてはかなり低い車高を実現できた。
もちろん2CVもある。いちばん向こうのチャールストン以外は、すべて大きなフロントグリルを付けた初期のモデルというのがすごい。しかもちょっと見えにくいが、ボンネットにスペアタイヤを積んだ3台目は、エンジンをリアにも積んだ4WDのサハラだ。この4台の他にラリーレイド仕様などもあった。