プジョー/プジョー

ロードインプレッション 進化し続けるプジョー206(3ページ目)

ヨーロッパ車はマイナーチェンジのとき以外でも進化を続けている。デビューから3年たった今でも人気のプジョー206もそのひとつ。最新型のXTに乗ってそれを実感した。

執筆者:森口 将之

初期のXTはソフトなスプリングに比べてダンパーの効きが不足気味で、しなやかではあったがフラット感があまりなかったという印象がある。ホイール・タイヤがバタつく感じも見受けられた。あとで追加されたXTプレミアムではそのあたりが改良され、少し固めになったが揺れを一回で収め、バタつきも少ないというプジョーらしい乗り心地になっていた。今回乗った最新型のXTは、このXTプレミアムに近いフィーリングだった。


それに比べるとハンドリングはそれほど違いはなかったが、以前よりも前輪のグリップが強力になって、外にふくらむことは少なくなった。コーナーでアクセルを閉じたときにリアが滑るのは今までどおりだが、僕はこれをプジョーの個性だと思っているのでいいと思う。


206が出た当初は、デザインや走り味が今までのプジョーと違っていたことから、フランス車好きの間ではあまり良い評価をもらわなかった。しかしそれから3年の間に、プジョーはしっかりこのクルマを熟成させていたのだ。メーカーやインポーターからは何の発表もないのに、乗るとかなり変わっている。3年前の印象だけで「206なんてプジョーじゃないよ」といっている人も、最新型に乗れば少し違う気持ちになるはずだ。
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