本革シートがオプションということで、乗り込むとやや地味な印象。シートの形状デザインは、例のモコモコ段差のある、サイドサポートが鋭角なスポーツバケットシートですが、ここはやはりオプション16万円で選べる本革シートを選びたいところ。
もちろん、性能に関わる問題じゃありません。アルファV63.2リッターユニットは相変わらず豪快なノートと、低速からグリグリ盛り上がるトルク感を備えていて、これが単なる(電子制御があるとはいえ)FFでいいのか、と思わせる力強さ。野太いノートにつられてアクセルを踏み続けたならば、あっという間に制限速度オーバーです。
総合的に見て、楽しさではこの147GTAの方が上でしょうね。何しろ、お尻の動きが明快かつ軽快、そしてスリリング。クルマ全体を微にいり細にいり、感じながらワインディングを駆け上がってゆく緊張感はたまりません。
なんかこう、前を支点にグルングルン回しながら突き進む、といった印象の方が勝つのですね。その実、4輪はしっかり地面をくわえてはいるのですが。あくまで印象としてはそんな感じなのです。
コントロールする楽しみと、おっとっと、って手に汗握る緊張感と。そのあたりは156GTAよりもほんの少し上だと思います。
ブレーキのフィールも156GTAよりも好印象。
確かに、いろんなところがきしんでくれるし、お世辞にも洗練された印象はなし。最新モデルとしてはなんだかな、って思うところも多い反面、ああクルマと対話するってこういう方法もありだよね、と妙に人間っぽく感じるところは、この時代、実は長所じゃないでしょうか。
近日中に、2台のGTAをじっくり比べる企画をお届けします。
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