アップデートされたタルガの走り
そのタルガ&タルガ4Sにも、カレラに少し遅れて、直噴エンジン+PDK採用というパワートレインが与えられました。筆者の好みは、もちろんハイパワーな「S」。第一印象は、とにかく速い。3.8Lのフラット6は、もともと十分に速かったところ、さらにピックアップが鋭くなり、強引なまでに乗り手に「速さ」を感じさせるような味付けに。これならターボでなくても十分に満足できます。欲をいうと、もう少し官能性能を感じさせる部分があるとなおいいのですが、とにかく速さに不満はありません。
PDKの制御は、昨年秋にカレラ4Sの試乗レポートでお伝えしたとおりですが、タルガが後発モデルであるぶん、わずかながら改良されているように感じられましたが、さだかではありません。
通常モードではいたって運転しやすく、ATのようなクリープもあり、走り出してしまえばほとんどATのような感覚で運転することができます。ただし、その「走り出す」までの微低速域で、ちょっと気になる部分があるのは否めません。
むしろPDKの強みは、スポーツ~スポーツプラスモードにあり。これを選択すると、人間の操作では不可能な速さでのシフトチェンジを実現しています。その点においては、MTよりも優れたトランスミッションといえるでしょう。
PDKは、機構的にはトルコンを持たず、ツインクラッチを備えたMTの進化版ですが、ポルシェのラインアップにおいては、ティプトロニックの代わりとなっています。タルガの場合、これまで日本に導入されていたのはティプトロのみ。それがPDKを得たことで、MTにコンプレックスを持つ必要もなくなったのではと思っています。
フットワークについても、従来のタルガよりもいくぶんスポーティになったように感じられます。ただし、あくまでタルガのキャラクターに相応しく、ジェントルさを損なわないよう味付けされています。
という感じで、カレラ4Sにはいろいろな部分に大いに魅力を感じる次第です。ただし、素の状態のカレラ(MTで価格1162万円)に比べると、500万円以上も高くなってしまうわけですけどね……。
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