VW(フォルクスワーゲン)/ビートル

あらためて味わうニュービートルのオープン

愛らしいスタイルがなんともいい味を出しているニュービートル。そのスタイルの魅力を生かしつつオープンボディとした、ニュービートル・カブリオレのインプレッションをお届けする。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

数ある中で気になるニュービートル・カブリオレ

初代から受け継ぐ愛らしいマスクとスタイルはニュービートルならでは。価格は317万円~353万円

いつのまにか、世界中のほとんどの自動車メーカーがオープンカーをラインアップし、その数が非常に多くなってきたことに気づきます。ザッと数えて全世界で50車種を軽く超えているでしょう。基本的には、やはりスポーツカーのクーペモデルをベースにオープントップ化したモデルが多いようです。また近年のトレンドとして、電動格納式ハードトップを備えるモデルが徐々に増えてきています。

そんな中で、デビュー以来ずっと気になっているのがニュービートル・カブリオレです。このクルマは、見てのとおりニュービートルがベース。スポーツカーがベースでもなければ、電動格納式ハードトップが付いているわけでもありません。それでも、他のオープンカーにはない個性的スタイルと愛らしい雰囲気を持っていると思うのです。

もともと個人的にニュービートルのデザインはけっこう好みで、本気で買おうかと思ったこともありました。そのニュービートルが、クローズドボディからカブリオレとなると、丸みを帯びたボディがさらに際立ち、より一層ユニークなクルマになると感じます。ニュービートルの愛らしいデザインに、ただでさえ目を引くオープンカーとくれば、街を走っているのを見かけると、誰しも目で追ってしまうことでしょう。

エクステリアに負けずユニークなインテリア

インテリアもユニーク。後席スペースは短時間であれば許せるが常用は厳しそう

そんなニュービートル・カブリオレに、久々に乗りました。実はフォルクスワーゲンの新型オープンモデル、Eosに乗ったとき、ふとこのクルマを思い出したのです。ゴルフやポロなどもそうですが、フォルクスワーゲン車は、既存のモデルでもデビューから何年かして乗ってみると、実に洗練されているケースが多いのです。そして、ニュービートル・カブリオレがどうなっているのか気になったのです。

シートに腰を降ろすと、エクステリアに劣らずユニークなデザインのインテリアが迎えてくれます。こういった類のクルマというのは、どこもかしこもユニークであればあるほど魅力的に感じられるもの。直線と円を巧みに組み合わせたインテリアデザインは、やや古さを感じさせるようになったものの、乗っている間もずっと「ニュービートルに乗っている」ことを感じさせ、楽しませてくれます。

そして、ニュービートルの特徴として、乗った瞬間にはあまり感じないのですが、ハンドルを切った瞬間に、自分の座っている場所から前の部分が、すごく長く感じられる独特の感覚があります。初めてニュービートルに乗った人は誰しも驚くようですが、久々にニュービートルに乗った自分も、その感覚を思い出しました。

ちなみに、ニュービートルのラインアップにおいて、クローズドモデルが4速ATであるのに対し、なぜかカブリオレだけが6速ATとなっているのも特徴です。カブリオレが後発モデルだったのが理由のようですが、これもクローズドモデルに比べて大きなアドバンテージだと思っています。


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