VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

最速! 新型ゴルフR32試乗(紹介編)

フランクフルトショーで発表されて間もない新型ゴルフR32を早速ドイツで試乗。まずはその成り立ちを紹介します。

執筆者:河口 まなぶ


新型ゴルフ・シリーズ最強モデルが登場

約2週間前のフランクフルトショーで発表されたVWゴルフ・シリーズの最強モデル、「R32」を早速試すことができた。試乗のために訪れたのはドイツのハノーバー。2週間前にフランクフルトにいて、その後日本に帰って1週間を過ごしただけに、再びドイツに「戻ってきた」感じすらする。それはさておき新型ゴルフR32は、ハノーバー空港で我々を待っていてくれた。

見た目の印象は、ショー会場の独特の光の中とは少し異なっていた。特にGTIではブラックアウトされていたそのグリルが金属調となるため、ショー会場ではきらびやか過ぎるように思えた。ただこうして外の光の下で見ると、鈍く光って落ち着きさえ感じる。

少し前に登場したジェッタやパサートもまた、似たような金属系のフロントグリルを備えたことから、VWは今後この部分の処理でヒエラルキーやグレードを表現するのだろうかと思える。事実ゴルフ・シリーズで唯一この金属系のグリルを与えられたR32は、ゴルフの中で最高峰のモデルだ。

フロント・バンパーでは大きな開口部を持つ独自デザインが与えられ、リア・バンパーでは下端にディフューザー風処理を施して、センター2本出しのマフラーを与えているのがR32の特徴。これによって全長は+40mmとなるが、全幅に変更はなく、全高はスポーツモデルということもあって-20mmとなる。その他外観で異なるのは、225/40ZR18サイズのミシュラン・パイロットExaltoと、ひと目で専用と分かる20本スポークのホイールを組み合わせる程度。

こうしてみるとR32の外観はノーマルからほんのわずかな変更なのだが、実際の見た目のインパクトは大きい。R32は車両寸法の全てを変更したように思えるほど、どっしりとしたスタンスを感じさせる。それだけ存在感があるのだ。

一方インテリアを眺めてみても、やはりGTIと比べて大きく違わない。インパネやドアトリム、さらにシフト回りにトゥアレグW12同様の加飾が与えられる点がこれまでにない差別化の部分だが、それ以外では特に大きな変更はない。シートも標準ではGTI同様のスポーツシートで、オプションでバケットシートが用意されている。ただこれは日本仕様でどのような扱いになるかは未定だ。




R32のメカニズムで特徴的なのは、なんといってもドライブトレーンだろう。搭載エンジンはゴルフで最大となる3.2LのV6エンジンを与え、これに4モーションと呼ばれる4WDを組み合わせる。そしてトランスミッションは6速MTを基本として、現在世界最高の2ペダルMTであるDSGも用意している。

ただこれらのメカニズムにより当然車重は増え、ノーマルのゴルフはもちろんGTI比で約100kg重くなり、3ドアのDSG搭載車で1538kg、5ドアのDSG搭載車で1569kgとなる(ともに欧州仕様の数値)。

しかしそうした重量増は、3.2LのV6エンジンが全て帳消しにしてくれる。最高出力で250ps/6300rpm、最大トルクで32.6kgm/2500-3000rpmという数値を発生することで、パワーウェイトレシオは約6kg/psとなるのだから、動力性能は当然高い。実際にアナウンスされている数値も、0-100km/h加速で6.2秒、最高速度は250km/hに達する(250km/hリミッターなしでの最高速がこの数字だ)。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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