エキシージのベースとなったエリーゼ111R。エクステリアの最大の違いはエリーゼのルーフは巻き取り式の幌が装着され簡単にオープントップにできる。
エリーゼはもともとコーナリング・マシンとして名高い。ミッドシップならではの極めて素直な回頭性と、コーナリング中の高い世界限界、そして脱出時では高いトラクション性能を発揮し、コーナーではほとんどのクルマを置き去りにするだけの実力を備える。

しかしエクシージではそのコーナリングが、さらに数倍にまで引き上げられたようにすら感じるのだから堪らない。111R比でも圧倒的にシャープな回頭性と、高いコーナリング限界と、高いトラクション性能を発揮する。だから同じコーナーなのに、曲率が違うのでは? と思えるほどなのである。
 速度を上げるほどに、ボディが路面へピタリと吸い付く感じを増し、容易なことでは姿勢を乱さない。ダウンフォースも効果的に効いているのだろう。

結果徐々にコーナーへの進入スピードを高めていくのだが、ようやく姿勢が変化を起こすのは相当に高い速度域で、ということになる。しかも姿勢が変化をしても、もともと小さなヨー慣性モーメントゆえに、即座に動きを修正することが可能だ。

一方で一度回頭させると、まるでこちらの意志がそのまま姿勢変化に現れるように鋭く回頭していく。だから低速コーナーでは、ドライバーの意志次第でニュートラルな姿勢を作り上げていくことも可能なのである。つまり基本的にはどこまでも高い安定性を示すが、操作次第で実にコントローラブルな面を即座に引き出すことができるのである。

それにしてもターンインは素晴らしい。エリーゼも抵抗感なく回頭するが、エクシージではさらに高い速度から狙ったところにピタリと付けられる。まさにナイフのよう。

そして身体中の血が遠心力で偏っていくように思えるほどのGを感じながらコーナリングさせていく。そして最後は頼もしいまでにクルマを確実に前に押し出すトラクション性能で締めくくられる。こんな具合だから、111Rと比べても次のコーナーまでの距離が圧倒的に短く感じられる。当然、0-100km/h加速や最高速における111Rとの差などは感じるはずもないどころか、こちらの方が圧倒的に速いのである。

エンジン性能をあまり引き上げずとも、シャシーやボディ・ワークによって、ノーマルとは比較にならない速さを実現する…そんな様をして僕は、ホンダのNSX-Rやポルシェ911GT3を思い出した。

そう、エクシージは分かりやすくいえば、ロータスが作ったタイプRでありGT3なのである。しかし、日本での価格はわずかに600万円なのだから、これは性能を考えれば相当にコストパフォーマンスも高い、といえるのである。
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