これまで日本車というのは、例えスポーツカーであっても、走らせたときに「味がない」という風に言われてきたことが多かったが、RX-8はそれに対しても確実に応えが出せているといえるだろう。
まずハンドリングに関して言えば、これまでマツダがロードスターやRX-7で培ってきたものをベースに洗練させたものになっているし、さらにそういったハンドリングを生み出すシャシーに、世界でマツダしか実現することのできないロータリーエンジンであるレネシスが搭載されているのだ。この2点の組み合わせによって、その走りは確実に「マツダ味」となっており、今までのどのマツダ・スポーツよりも濃厚な味わいを生み出しているといえる。
それにしても、これは凄いことだと私は思っている。なぜなら、4ドア4シーターながらも、RX-8は全くエクスキューズのないスポーツカーに仕上がっているからである。
これまで多くのスポーツカー好きは、スポーツカーを所有することと、家庭の事情の関係について頭を悩ませてきたし、実際それによって多くの人がスポーツカーを諦めてきた。しかしRX-8は、そんな事情にすら応えており、家庭の事情を考えてもなお、エクスキューズなしに所有することのできるスポーツカーになっている。その意味では、より多くの人の気持ちに真っ正面から応えたスポーツカーである。これは確実にスポーツカーの歴史において、マイルストーンとなるはずだ。
その走りの世界には、気持ちよさ、楽しさ、興奮がしっかりと宿っていた。これはおそらく市販版でも変わらないものであろう。
しかし、まだこれは三次のテストコースだけを走って味わった印象である。果たしてリアルワールドでRX-8の走りはどんなものとして感じられるのだろうか? これもいち早くレポートしたい。
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