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今どきのプラグは10万km無交換でもOK!?(2ページ目)

メンテナンスの定番メニュー、プラグ交換ですが、最近ではエンジンオイルなどと同様に交換サイクルが伸び、メンテナンスフリー化が進んでいますが、果たして本当にプラグのメンテナンスは不要なのでしょうか?

執筆者:宮島 小次郎

プラグの点検は年に一回、電極の摩耗がないかをチェック

プラグの点検
プラグの脱着は難しい作業ではないが、ネジ山をなめると大事なので、自信がない場合は素直にプロに依頼すべき
では、プラグの交換時期の見極め方や点検の方法についてですが、一般的なメーカー指定のプラグを使用している場合は、一年に一度、もしくは1万km走行ごとに各気筒からプラグを取り外し、異常がないかを点検する程度で十分でしょう。ただし、エンジンをチューニングしている場合やサーキット走行などハードな走行をしている場合には、もっと短いサイクルで点検すべきです。

プラグの点検方法としては、品番などが印刷されている白いセラミックの絶縁体に割れや変色がないか、プラグコードと接続するターミナル部に緩みがないか、燃焼室に接する部分が極端に湿っていないかなど、まずはプラグ全体をパッと見て異常がないかを確認します。もっともこのあたりに問題があるようですと、エンジンの吹け上がりや始動性が悪かったりと、すでに何かしらエンジンの不具合が出ているかもしれません。

電極の摩耗
プラグの劣化が最も進行しやすいのが、電極部分の摩耗だ。角が丸くなっていないかを確認したい
次に最も注意して確認したいのが、電極の部分です。今どきのエンジンであれば、中心電極にはプラチナやイリジウムなど摩耗に強い貴金属が用いられていることが多いため、中心電極が著しく摩耗することは少ないと考えられます。そのため、点検するのは、主に側方電極の方が摩耗していないかという点です。

側方電極は、新品時には角ばった形に成型されています。スパークの火花は、中心電極の角から側方電極の角に向かって飛ぶものと考えられますから、摩耗は側方電極の角の部分から始まります。そのため、新品時の状態を写真などに撮っておき、使用したプラグと比べてみると、電極の角が丸くなってくるのが分かると思います。

メーカーによっては、火花が飛ぶ角の部分を増やすため、電極に溝を刻んでいる製品も見られますが、この溝が減ってくることでも電極の摩耗を確認することができます。いずれにしても、電極の角が明らかに丸くなっているようでしたら、そろそろプラグの交換時期だと推測できます。

もちろん、電極が多少丸くなっても、プラグの性能にはそれほど影響するものではありませんが、電極の角が丸くなることで、微妙なレベルではありますが、プラグギャップ(中心電極と側方電極の間の隙間)が広くなります。プラグギャップが広くなると、スパークに必要な要求電圧が上がるため、エンジン始動時や高負荷域など、火花が飛びにくい状況でよりスパークしにくくなり、失火の原因となります。

ただ、それも摩耗の初期では微妙なレベルの話となるため、それほど体感できるほどの差ではないかもしれません。そこからさらに摩耗が進めば、エンジンが掛かりにくくなったり、吹け上がりが悪くなったりといった症状も現れますから、新品に交換すると驚くほどにエンジンの調子が良くなるといったことが体感できるかもしれません。

では、交換時にはどんなプラグを選べばよいのでしょうか。それについては、また次回の記事で取り上げたいと思います。


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