カーメンテナンス/便利なカー用品

乗り心地を改善する新発想の潤滑剤を試す!(2ページ目)

サスペンションのダンパーに処理するだけで乗り心地が向上するというちょっと面白いアイテム、「ドライルーブforダンパー」。その効果とはどんなものなのか、実際に試してみました。

執筆者:宮島 小次郎

サスペンションがスムーズに動くようになった

施工方法
ダンパーへの施工は、付属のスポイトを使って塗布するだけと簡単だ
ドライルーブforダンパーの施工方法は、ジャッキアップをして、ダンパーのピストンロッド部に溶剤を塗布するというものです。キットには、先の長いスポイトがセットされていますから、ジャッキアップしただけでピストンロッド部をしっかりと目視できる車種であれば、比較的簡単に作業ができると思います。

ただし、サスペンションの形式によっては、ホイールを外さないと作業できないものもありますから、タイヤ交換時などに合わせて行うといいでしょう。ピストンロッドに液材をかけ、白っぽく乾燥したら、施工は完了です。念のため、一度乾燥した後にもう一度、ドライルーブを塗布するとより効果的とのことです。

施工状態
溶剤を塗布し、表面が白っぽく乾燥したら、作業は完了。二度塗りをすればさらに効果的だ
では、実際の効果についてですが、劇的に変わった! とまではいきませんが、特にサスペンションが作動を始める瞬間の動き出しがスムーズになったようなフィールを体感することができました。これによって、路面の起伏などを乗り越える際、しっかりとタイヤが路面をトレースしているような感覚が得られました。ただ、乗り心地という面では、今回テストした車両(社外のスポーツダンパーを装着)ではあまり変化を感じることはできませんでした。

乗り心地が厳しいという場合、多くは段差や路面の継ぎ目などを乗り越えたときにガツンっと突き上げる衝撃がその症状だと思います。こうした突き上げ感は、ダンパーの減衰特性が最も影響しますが、それ以外にもスプリング自体の固さやダンパー内部のガス圧、ゴムブッシュの特性など様々な要因が関係してきます。このドライルーブで改善できるオイルシールの摺動抵抗というのも、もちろんその一因となりますが、ここだけですべてを改善できるわけではないというのも事実です。

窓枠
ダンパー以外にも、ウィンドレールやウェザーストリップなど、油分を使えない部分にも使えそうだ
ただ、車種やダンパーの種類によっては、このオイルシールがダンパーのスムーズな動きを妨げる大きな要因となっていることも考えられますから、そうしたケースではこのドライルーブはかなり効果的だと思います。いずれにしても、この部分のフリクションを少なくすることは、サスペンションの性能を確実に引き出すという意味でも有効な処置ですから、現状で何がしかサスペンションに不満を覚えているという場合には、試してみる価値があると思います。

何しろ1セットで1500円ほどと非常にリーズナブルですから、ダンパーやスプリングなど、高価なパーツを交換する前にまずはこうした手軽なアイテムで、乗り心地などが改善するか試してみてはどうでしょうか。


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