カーメンテナンス/車の点検ポイント

オイル交換にまつわるその常識は本当?(2ページ目)

エンジンオイル交換については、昔から様々な説がささやかれていますが、そうした常識は一体どこまで本当なのでしょうか? 今回はそうしたオイル交換に関する噂の真相を検証してみます。

執筆者:宮島 小次郎

レベルゲージに付いたオイルが真っ黒だけど、すぐに交換した方がいい?

オイルの汚れ
スタンドなどでオイルが汚れているようなので交換した方がいいですよ、などと声を掛けられることもありますが……
似たような話を以前の記事でも取り上げましたが、オイルが黒く汚れるのは当然のことです。オイルには、エンジン内部の汚れを取り込んで、内部に汚れが溜まるのを防ぐ清浄作用があるのです。オイルが黒く汚れるというのは、この作用がしっかりと機能している証拠でもあります。逆に数千kmも走行しても全く汚れないオイルでは、清浄作用が弱いのでは、と心配したほうがいいかもしれません。

そうはいっても、限度というものもあります。オイル交換をほとんどせず、継ぎ足しばかりで10万km以上も走行したというクルマでは、オイルパンの底にヘドロのようなタール状の汚れが溜まっていたこともあるそうです。そこまで行くとさすがに、見た目でもヤバそうな色をしているかもしれませんので、そういう場合はハナシは別です。

通常のサイクルでオイル交換をしているクルマでは、オイルの汚れは参考程度に見ておけばいいでしょう。見るとすれば、汚れだけでなく、オイル以外のものが混じっていないか、ということを注意した方がいいかもしれません。特に古いクルマでは、冷却水とオイルが混ざってしまうトラブルが発生することがあるのです。ただ、その場合もほとんどが冷却水路にオイルが混ざることが多いのですが。

オイルフィルターはオイル交換のたびに交換すべき?

オイルフィルター
ついつい忘れがちなフィルター交換ですが、メーカー推奨の交換サイクルに従って交換すべきです
エンジンオイル同様、オイルフィルターも自動車メーカーによる推奨交換サイクルが示されています。一般的なガソリンエンジンで1万5000km、ターボエンジンでは1万kmあたりに設定されていることが多いようです。そのため基本的には、この指示に従って交換すればいいでしょう。ただ、メーカーの指示にはオイル同様、シビアコンディションにおいては交換時期を早めるよう指示されていることもありますから注意が必要です。

では、フィルターが詰まるとどんな問題が発生するのでしょうか。実はフィルターにはリリーフ機能が備わっており、フィルター部が詰まってオイルが通過しにくくなると、リリーフバルブからオイルを逃がし、濾紙を通さずにオイルを循環させるような仕組みとなっています。つまり、フィルターが目詰まりを起こしても、オイルが循環しなくなるということはありません。ただし、不純物をろ過していないオイルが循環することになるわけですから、エンジンにとってはあまりいい状況とは言えないでしょう。

ただ、フィルターの内部にどれくらい汚れが溜まると実際にリリーフバルブが開くのか、それは外から見ただけでは判断できません。一説によれば、ある程度目詰まりした状態の方が、細かなサイズの不純物までろ過できるようになるという話もありますから、このあたりもオイル同様、考え方の問題という気もします。


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