意外と忘れられがちな冷却水の交換
ラジエターキャップを開け、冷却水の状態を実際に目で見て点検することもできます。その際は、必ずエンジンが冷えている状態で行ってください |
冷却水の役割は、エンジンが発生した熱を取り込み、ラジエターでその熱を放出するという熱を伝達する媒介としての働きがその中心です。それ以外にも冷却水路内に錆を発生させないための防錆性、風車のようなウォーターポンプにかき混ぜられたときに泡立たないようにするための消泡性など、その役割は意外と多いのです。
ところがそうした機能というのは、エンジンオイルなどと同じように長い間使用を続けていると、徐々に劣化し、性能が低下してきてしまいます。そのため、冷却水もエンジンオイル同様、定期的な交換が必要になってくるのです。
年一回の交換がオススメ
特に国産車の水温計というのは、あまりアテになりません。もし、この水温計の針が通常の位置よりも上がり始めた場合は、本当にオーバーヒート寸前と考えていいでしょう |
そんなに頻繁に交換する必要があるの? と思われる方もいるでしょう。特に最近の国産車ですと、メーター内の水温計は一度規定の温度まで上がると、その後は本当に危険な領域まで水温が上がらないとメーターの針が動かないため、実際の水温は全くわかりません。ですが、正確に水温を表示する市販の水温計を装着して水温の変化を調べてみますと、水温は実に頻繁に変動していることが分かります。
そして、劣化した冷却水では水温が上がりやすく、温度も高めとなることにも気付きます。実際に私はサーキット走行に頻繁に(といっても月に2~3回くらいですが)通っていた頃には、年に2回もしくは3回は冷却水を交換していました。サーキット走行では、オーバーヒートを起こさないために市販の水温計を装着していましたので、冷却水を換える前と後で、水温の変り具合を確認することができたのですが、冷却水交換後は明らかに水温上昇が遅く、また最高温度も下がることが分かりました。
気温が高くなる夏場に掛けては、当然水温も高めになりやすいものです。特に真夏の渋滞路などは、ある意味サーキット走行よりも熱的には過酷な状況にさらされます。そんなわけで、冷却水を交換するのなら、夏前のこの時期がベストと言えます。
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