カーメンテナンス/車の点検ポイント

断面形状や幅の違いに注意! ブレードラバーの交換

ワイパーの拭き取り能力が低下する最大の原因は、ガラスに密着するラバー(ブレードラバー)にある。そのラバーのみも一般に市販されており、簡単に交換することができるのだ。

執筆者:鈴木 伸一

 ワイパーの拭き取り能力が低下した場合、通常はブレード本体ごとそっくり交換する。が、しかし。ワイパーの拭き取り能力を低下させてしまう最大の原因は、ガラスに密着する「ブレードラバー(先端のラバー部分)」の劣化にあるのだ。
 つまり、「ブレードラバー」を交換すれば拭き取り能力が復活する可能性があるわけで、そんな用途向けの交換用「ブレードラバー」も単体で売られている。ラバー単体なため安価で、ブレード本体を交換する場合の半分以下の費用ですむのだ。
 ただし、ラバーの断面形状やフレームにはめ込む部分の幅が異なる種類があり、交換用として売られている「ブレードラバー」なら何でもよいというわけにはいかないので注意! 購入するときは、現在使用しているワイパーブレードに合致するタイプかどうか確認することが大切だ。
 さらに、長さの違いにも注意する必要がある。製品によっては任意の位置でカットして利用する「フリーサイズ」もあるが、最近の車種や社外品のワイパーブレード向けの製品は長さが決まっているのが普通だからだ。
 また、ブレード本体がガタ付いていたり歪んでいると、ブレードラバーを新品に換えたところでガラス面に均等に密着しない。つまり、きれいに払拭できないわけで、そんな状態だったら交換しても無意味! ブレードラバーの拭き取り面がスムーズに上下できる状態にあるかどうか確認することが大切だ。
●ブレードラバーの取り外し
1.ワイパーブレードを取り外す
「ブレードラバー」のみの交換が目的でも、ブレード本体をワイパーアームから取り外してから作業するのが基本だ。取り付けたまま交換することもできるが、慣れないと取り付け不良の要因となるからだ。さて、ワイパーブレードを取り外したら用意した「ブレードラバー」を添わせて長さやはめ込み部の形状が合致するか確認。OKなら、はめ込み部の形状が合致するかもチェックする。また、その際、外したアームがウィンドガラスを傷付けないようウエスをあてがっておきたい。
2.ゴムストッパーがある側を識別する
ワイパーブレードを取り外したなら、「ブレードラバー」の末端に注目。どちらか一端にストッパー孔が設けられていて、ホルダーの爪がはまり込んでいるはず。そのはまり込んでいる側が「ゴムストッパー」だ。
3.端をしっかり持ってまっすぐ引き抜く
「ゴムストッパー」を確認したなら、それが設けられている側のラバー端をしっかり持ち、まっすぐ引っぱってやる。
4.抜ききれる直前まで引き出す
ストッパー穴から爪が抜ければスルスルと簡単に引き抜くことができる。ただし、調子にのって完全に引き抜いてしまわずに、抜ききる直前で止めておく。新品の「ブレードラバー」を組み込むとき、同じ方向からはめ込む必要があり、その目印とするからだ。
●ブレードラバーの取り付け
1.樹脂クリップに注意!
新品の「ブレードラバー」にはめ込まれている樹脂クリップは側面に押し込まれている板金具の抜け止めで、むやみに外すと作業中にバラバラになってしまうので注意! この樹脂クリップは付けたままの状態で、ブレード本体に組み込む。
2.ホルダーに通していく
組み付けるときは「ゴムストッパー」の反対端のフリーになっている側からセットする。この際、ホルダーのツメが上下のゴムを共に抱えこむよう、かつ金属プレートをバラけさせないよう注意しながら各ホルダーに通していく。
3.樹脂クリップを外し、ロックする
ストッパー穴の付近まで押し込んだなら樹脂クリップを取り外す。そして、ストッパー穴の位置まで押し込んだところで「ブレードラバー」をしっかり握り、「ギュッ」と一気に引っ張ってホルダーの爪をはめ込んでやる。両側面のストッパー穴にホルダーの爪がキッチリはまり込んだなら完成だ。なお、この固定が不十分だと使用中に抜けてしまうことがあるので要注意! 組み付け方向共々、しっかり確認しておきたい。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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