ワイパーブレードはガラス表面に付着した水滴をラバー(ブレードラバー)で押しつぶし、薄い水の膜にすることで雨の日の視界を確保する働きをしている。
このワイパーブレードの寿命は意外に短く、もって1年。状況によっては半年で劣化してしまうことがある。ラバーを傷めつける要因となる紫外線や酸性雨に常にさらされているからで、まったく使わなかったとしても確実に劣化してしまう。
その劣化の症状でもっとも明確に表われるのが「拭き残し」だ。正常ならワイパーを往復させた後のガラス面に水膜はほとんど残らないが、劣化してくるとスジ状の膜が残るようになる。ガラス面への密着が弱まるからで、さらに劣化が進むと引っかるようになり「ギッギッ」といったビビリ音を発生するようにもなる。
もしも、このような兆候が表われたら、念のためラバー先端に溜まった汚れを拭き取って再チェックを。それでもダメならブレードラバーのコンディションを確認したい。指で押して弾力がなかったり、先端部が曲がったまま元に戻らないようなら寿命だ。じきにヒビ割れてくるので、拭き取りが極端に悪化する前に交換してしまいたい。そのまま使い続けて先端部が切れたりすればウインドガラスをキズ付けることにもなるからだ。
ただし、ひと口に「ワイパーブレード」と言っても、その種類は千差万別! 純正品を購入するにしても車検証を持参するべきで、最低限、車種や年式ぐらいはハッキリさせておく必要がある。また、カー用品店で社外品を購入するなら左/右のワイパーブレードを外して持っていき、現物合わせで選ぶことをおすすめする。陳列棚に置かれている適合表から車種や年式から適合品を判断することもできるが、この方法がもっとも簡単・確実だからだ。
●ワイパーブレードの種類
1.取り付け方式が違う物が数種類ある
アームへの取り付け方式が異なるタイプが、大きく分けて4種類ある。主流は「Uクリップ式」と呼ばれるタイプ(左の写真の一番下のタイプ)で、近年のクルマならほぼこれだが、念のため確認を!
2.長さの違いに注意!
クルマによって長さも違ってくる。左右でブレード長が異なる車種も珍しくない(というより、近年のクルマでは一般的)ので、社外品を購入するときは十分注意したい。
3.湾曲タイプなら純正品がベスト
ガラスの曲面に合わせた湾曲フレーム(左の写真の下のタイプ)を採用しているクルマもある。この場合、汎用品では対応不可。ラバー端がガラスに密着しきれないからで、純正品の利用がベストだ。
●ワイパーブレードの交換
1.ワイパーアームを引き起こす
まず、ワイパーアームを引き起こして立たせてやる。なお、フルコンシールドの場合、振り出した状態でキーを切って止めてから起すとよい。
3.アームを起こしてロックを解除
アームに対してブレードを水平方向に起こしていくと、樹脂ホルダーの付け根に設けられているロックレバーが現われる。そのロックレバーをアーム側に押し込むことでロックを解除。その状態を維持しつつ…。
4.フックから引き出す
押し下げていってアーム先端のU字フック部から樹脂ホルダーを引き出してやる。そして、完全に引き出したらワイパーアームと平行になるよう寝かせていき、樹脂ホルダー部の横の穴から引き抜いてやる。
5.樹脂ホルダーの表裏に注意
ワイパーブレードに組み付けられている樹脂ホルダーをま上から見たとき、支点のシャフトやロックレバーの付け根が見える状態だったら裏返しになっている。そのままでも組み付くもののロックがかからないため走行中に外れてしまうので要注意!組み付ける前に正常な状態に直しておきたい。
5.はめ込む方向を確認する
まずU字フック部にワイパーブレードの樹脂ホルダーをあてがって、はまり込む方向を確認する。OKならアーム先端を樹脂ホルダーの背面に密着させ、その状態のままワイパーブレードを下にズラしていって…。
5.フックにはめ込む
樹脂ホルダー横の穴にアーム先端部を落とし込んでやる。そして、ワイパーブレードとワイパーアームが並行になるよう保持しつつまっすぐ引き上げるようにしてU字フックにはめ込んでいき、「カチッ」という音がしてロックされたら取り付け完了だ。
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