フロントデフオイルを交換しよう
4つのタイヤを駆動する4WDにはフロントにも「デフレンシャルギヤ」が装着されている。フロントタイヤが駆動輪となるFF車の場合もしかりだ。フロントホイールにエンジンの駆動力を伝えるためには左右輪をつなぐ必要がでてくるが、旋回時には後輪と同様、左右のホイールに回転差が生じため直結ではスムーズに回ることができないからだ。働きは基本的にリヤデフレンシャルと同じで、交換サイクルもリヤに準じる。ところが、フロントにもあるといことを知らない人も多く、5万km以上走行しているにもかかわらず1度も交換したことがないというケースも・・・。交換サイクルはリヤと同じく3万~4万kmごと。心当たりがあったなら、早急に対処したい。トラブル症状が出てからでは手遅れだからだ。
さて、このデフオイル。リヤはリフトアップしないと確認することができないが、フロントに関しては車種によっては簡単にチェックすることができる。例えば、サンプル車のレガシィー(インプレッサーも同様)の場合、エンジンルーム内からレベルゲージにアクセスすることができるのだ。また、小型のFF車では、ミッションオイルやATFでフロントデフを潤滑するものもある。この場合、デフオイルのみを単独で点検・交換するというわけにはいかない。いずれにしろ愛車の構造がどうなっているのか、この際、確認しておくことをおすすめする。
なお、クルマが旋回するとき左右のホイールが転がる距離は異なり、外側のホイールは内側よりも長くなる。このため、もしも左右の駆動輪が1つの軸に固定されていると、ハンドル操作が非常に困難になる。このような不都合を防止し、円滑に旋回できるよう左右輪の回転差を調整する働きをしているのが「デフレンシャルギヤ」で、摺動面に発生する摩擦の影響は大きいためオイルによる潤滑が不可欠。定期的に交換する必要もあるのだ。
フロント・デフレンシャルギヤオイルの点検
1.車種によってはレベルゲージが設けられているレガシィーのデフオイルはエンジンオイルのような棒状のにオイルレベルゲージでチェックすることができる。エンジン右側面、正面から向かって左側後方の配管類の奥を覗くと黄色いリングハンドルが見つけかる。それがレベルゲージだ。見つけたら引き抜いて先端に付着したオイルを拭き取り、一旦元どおり差し込む。そして、再度引き抜いたときに先端に付着したオイルで確認する。
2.エンジンオイルと同じ要領でチェックする
先端部にはオイルレベルの上(F)/下(L)を示すラインが描かれている。この間にオイルが付着していればオイル量はOKだ。
フロント・デフレンシャルギヤオイルの交換
1.排出口はギヤケースの底面にあるフロントデフレンシャルギヤはミッション後部のドライブシャトが組み付けられているケース内に組み込まれており、ケース底面にはギヤオイル排出用のドレンプラグがセットされている。
2.リフトアップしてドレンを外す
リヤと同様、リフトアップしてデフレンシャルの真下に廃油受けをセットし、デフケース側面下部に設けられているドレンプラグを外してギヤオイルを排出させる。
3.フルタイム4WDの場合、3~4万km走ればまっ黒!
ドレンプラグの先端にはリヤと同様、磁石が取り付けられており、オイルに混じり込んだ金属粉を集める働きをしている。FFやフルタイム4WDの場合、常時回転しているため3~4万kmも走ると金属粉がたっぷり付着する。抜き出したオイ(左側)もリヤと同様、劣化してまっ黒に!
4.新品オイルはレベルゲージ穴から注入する
クロカン系4WDのフロントデフレンシャルはリヤと同様の方法でオイルを注入するが、乗用車系では上部に設けられたレベルゲージ孔から注入する。
5.規定量を注入後、レベルゲージで確認する
交換時の規定量を注入後、レベルゲージをセットしてオイル量をチェック。必要とあらばギヤオイルを補充して終了だ。
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