カーメンテナンス/車の点検ポイント

ATにもフィルターがあり定期的に交換する必要がある ATFストレーナーの交換

ATにも油圧ライに混ざりこんだゴミをろ過するフィルターが装着されているが、その存在すら知らない人が多いのが現実。10万kmオーバーを目指していたなら要注意だ。

執筆者:鈴木 伸一


 ATにもフィルターが取り付けられている。厳密には金属製の細かなスクリーンで、ATミッションの底部に取り付けられたオイルパンの内部にセットされているのだ。
 ところが、それの存在すら知らない人が意外に多い。国産車のディーラーでさえ同様で、滅多に交換しないという(外車の場合、例えばベンツには紙製のフィルターがセットされているため定期的な交換が常識となっている)。
 しかし、基本的には交換が必要だ。特に10万kmオーバーを目指しているなら必須で、走行距離が5~6万kmに達したなら交換を検討したい。なお、パーツの価格は2000円前後と、そんなに高価なものではないが、交換時にはオイルパンを外すため、工賃と油脂代(ATFがほぼ全量抜けてしまう)で万単位の費用を覚悟する必要がある。
●ストレーナーの場合
1.ミッション底部のオイルパンを外す
ATミッションの底部に取り付けられたオイルパンに設けられているドレンプラグを外してATFを抜き、オイルパンを取り外す。

2.再度引き抜きチェックする
内部は細かな配管や配線がビッシリ。その中心部に吸引口をポッカリと開けた、ATFストレーナーが組み付けられている。

3.通常はHOT側でチェック
これがATFストレーナー。異物をろ過するスクリーンは密閉されたケース内に収まっているため、基本的に洗浄不可。交換が原則だ。

4.タイムラグチェックも行ってみたい
また、オイルパンの底には金属粉を吸着させるための磁石がセットされている。5~6万kmも走るとここに細かな金属粉がビッシリ付着。まるで花が開いたような状態となるのだ。
●車種によっては専用フィルターが設置されている
車種によっては油圧ラインの途中やミッション側面に専用フィルターが設けられていることもある。この場合、オイルパンを取り外すことなく交換することができる。近年の車種であれば、装着されている可能性は高いので、確認してみる(販売店では把握していない可能性があるため、カーメーカー直で確認した方がいいだろう)ことをおすすめする。
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