文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)

鉄粉除去マグネットの結果をレポート

以前のこのコーナーで紹介した、エンジンオイル内の鉄粉除去アイテムの使用結果が出たので紹介したいと思います。

この製品は、エンジンに付いているオイルフィルターの外側に、マグネットを装着してその磁力でエンジンオイルの中に含まれる摩耗粉を取り除こうというものです。エンジンを動かすと擦れあう部分で僅かずつ摩耗粉が出ますが、それが含まれるオイルはザラついた紙ヤスリのような状態になってきます。つまり、オイルで潤滑しつつも削るようなことが起こるわけです。
 大昔のエンジンは、シリンダーヘッドまで鉄でできていましたが、今時のエンジンは軽量化のためにシリンダーブロックまでアルミ化する方向にあります。
 もっとも、総アルミエンジン!とスペックで謳ってもシリンダー(アルミにメッキ処理や硬度を上げる処理をしたものもあります)、ピストンリング、クランクやカムシャフトなど、強度の必要な部分は鉄系の材料で造られているので、磁石にくっつく摩耗粉も出る理屈です。

 昔のエンジンには、オイルを抜くためのドレンプラグに磁石が内蔵されていました。現在では、ミッションやデファレンシャルだけの装着となっていますが、エンジンにつかなくなったのは、前述のようなアルミ化や工作精度の向上によって、大きなバリが混ざるようなことがなくなったということなのでしょう。

 今回のテストは、オイル交換して2000km走行後にマグネットを装着し(フィルターはそのまま)、3000km使用した後のフィルターを分解して中の様子をチェックしました。オイルフィルターは、耐圧性を持たせるため、結構頑丈に造られています。金ノコで切るとその時の切り粉が出るので、切りにくいのを承知の上で、タガネと金切りばさみで分解しました。作業中もマグネットは外さないように注意しました。

ヒゲ剃りのCMみたいに、細かい粉がとれた
 さて、フィルターを開けマグネットの付いていた内側の状態を見ると、黒いシマ模様が付いているのが分かりました。汚れたオイルと混ざっているので、始めは濃淡の差しか分かりませんでしたが、マグネットをずらすとその動きに合わせて、シマ模様も動きます。製品のアピール通り、摩耗粉は取れているようです。

 次にマグネットの位置にあるオイル分をブレーキクリーナーで少しずつ落としていくと、粉だけが残ってきました。重量にして、数ミリグラムと行ったところでしょうが、初めての装着ということもあるのか、意外に多く出ているように思いました。

 当初、実際に目に見えるほどの摩耗粉が取れるのか少し疑問に思っていましたが、ちゃんと働いているということが分かります。細かい粉の出方で製品の効果を感じるのは、某電動ひげそりのCMみたいな感じですが、オイルフィルターのろ紙だけでは取りきれない鉄粉を取ることは、オイル本来の潤滑性能を引き出し、エンジン寿命を延ばすことにつながると思います。

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