カーメンテナンス/車の点検ポイント

電装品チェックの基本 ヒューズの点検法(2ページ目)

電気回路のほとんどには、ヒューズが付いています。最近のクルマで切れることはほとんどありませんが、チェックの方法を知っておきましょう。

執筆者:高山 則政

交換時は同容量を選ぶ
 おかしいなと思う回路があったら、ヒューズを引き抜いてチェックする必要があります。ヒューズボックスの裏には、専用の引き抜き工具があるので、それを使って該当するヒューズを引き抜きます。中央の溶断部がつながっていれば正常、溶けて切れているようなら交換です。ヒューズボックスの裏には、10アンペア、15アンペア、30アンペアなど、各容量が1本くらいは付いているものです。切れている場合は、同じ容量のヒューズ(表示の数字や色が同じもの)に交換します。切れやすいから、容量を大きくするのはいけません。設計上、その回路に見合ったコードの太さとしているので、容量を大きくすると、ヒューズの意味をなさなくなり事故の元になります。
 出先でヒューズが切れてしまい、スペアもないという応急処置が必要とされる場合には、使わない回路(晴天時のワイパーとか)でできるだけ容量の近いものを拝借するという、裏技もあります。

切れたときは、原因を解消してから
 もっとも、普通の使用状況では切れないものなので、それが切れるということは何らかの原因があります。何か用品を付けたら切れるようになったなら、電流量がオーバーしていないか、配線のミスをしていないかをチェックして、直さない限り再び切れることになります。たまに切れるという場合は、容量限度で使っているのかも知れません。
 例えば、10アンペアのヒューズに11アンペアを流しても、すぐには切れません。これが13アンペアになると即座に切れてしまいます。ヒューズには溶断特性というのが規格で定められていて、容量オーバーの度合いで溶断する時間の範囲が決まっているのです。
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