文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)
花粉症の方にはつらいシーズンになってきましたが、エアコンのフィルターが詰まってくると、空気の流れが悪くなって風量が落ちたり、ホコリの除去能力が低下してきます。花粉もとらえることができるタイプは、特に目が細かくなってきているので定期的に交換することが必要です。
フィルターが付いているか
エアコンフィルターがベーシックカーにも常識的に装着されてきたのは、90年代中盤以降かと思いますが、未装着のクルマもかなり多く存在すると思います。初めからフィルターが付いてなければ、当然交換の必要はありません。
しかし、外気導入時は排ガスやホコリがダイレクトに入ってきますし、エアコンの冷却部などは汚れやすいので、大気汚染の激しいところは内気循環にしておいた方がよいでしょう。かといってタバコを吸う場合、内気循環ではヤニ汚れが堆積して汚れが付着します。そのため、喫煙する時は、外気を入れるか窓を少し開けて煙がエアコンの吸い込み部へ行かないようにするのが良い方法です。
また、フィルターの装着がオプション扱いで、スペースはあってもフタがしてあるだけということもあります。この場合は比較的簡単に装着できるのでディーラーなどに確認すると良いと思います。
装着場所は室外or室内
エアコンフィルターの装着場所はクルマによって違ってきています。国産車の場合は、室内に設置されることが多いようです。フィルターは風を送るファンモーターと温度調節をするクーラーユニットやヒーターの中間に入れられることが多いものです。このため、レイアウト的にはグローブボックスの裏あたりに設置されるパターンが多いようです。他には、インパネセンターのフロアトンネル上(足踏み式パーキングブレーキの横あたり)に配置される場合もあります。
ヨーロッパ車ではキャビンより外に設置される場合も見られます。これは、風を送るブロアがエンジンルームの奥に設置されるレイアウト(国産車はグローブボックス裏が多い)であり、空調システムの造り方が国産車とは違ってきていることも関係しているようです。
これは、明確な理由は知りませんが、外気の入り口で汚れた空気をシャットアウトしたいのかも知れません。車内の換気をどうするかという考え方の違いで、外気導入を主とするか、内気循環で汚れた空気の浸入を少なくしたいのかいう点なのかも知れません。換気には一長一短があり、外気導入では排ガスや花粉などの浮遊物が入ってきますし、かといって内気循環だけでは人間の呼吸によって二酸化炭素はでますし、運転の集中力も鈍ってくるといわれます。
このため、高級車のオートエアコンでは、外気の汚れをセンサーでチェックし、トラックなどが前方を走っていると、自動的に内気循環に切り替えるというシステムを装備しているタイプもあります。