カーメンテナンス/車のトラブル

ちょっとした心構えで余裕は大違い 冬トラブルの対処法(2ページ目)

雪国の人にとっては当たり前でも、不慣れな人には常識を越えたトラブルが起こるのが雪道ドライブ。そこで、比較的ありがちなトラブルについての対処法を挙げてみました。

執筆者:高山 則政

バッテリーが上がったときの対処
 寒さでバッテリーの起電力が低下すると、エンジンが掛からなくなってしまうことがあります。一番確実なのは、ブースターケーブルで救援してもらうことですが、1%でも希望があれば(?)自力で何とかチャレンジするのも良いでしょう。悪あがきと言われることもありますが・・・

 まず、寒くなって起電力が低下したのなら、温めてやるという方法が考えられます。バッテリーにお湯(60~70℃位)をゆっくり掛けて温めます。出来れば、外してじっくりお湯に浸して、内部まで温めるのが良いでしょう。また、エンジン本体の吸気管(インテークマニホールド)にもお湯を掛け、ガソリンの霧化が促進されるようにします。この時、点火プラグ周辺やオルタネーター(発電機)に掛からないよう気を付けます。これで、セルが回ればラッキーです。あと一息でエンジンが掛かるのにという状況では有効ですが、セルを何度も回さないよう電気を温存しておくことが大切です。

 他に救援してくれそうなクルマがいるけど、ブースターケーブルがないという場合は、バッテリーを丸ごと借ります。この場合、自車と相手のクルマのバッテリーサイズが同じことが条件です。外した元気なバッテリーの上面にあるフタをテープでふさぎ、電解液が出ないようにしてからバッテリーを逆さまにして、自車のバッテリーのプラスとプラス、マイナスとマイナスをくっつけます(絶対に逆接はしないこと)。端子の接触時にわずかにスパークを発生しますが、直前に息を吹き掛けて水素ガスを飛ばしておきます(滅多に発火しませんが、万一のため)。

 これでエンジンを始動します。この方法は多少面倒で10mmのスパナなど工具も必要ですが、細いブースターケーブルよりダイレクトに電流が流せるので、確実にセルを回せます。その後、救援してくれたクルマへテープを剥がしてバッテリーを返却しますが、オーディオのメモリーなどは消えてしまうので、出来るだけ人柄の良さそうな人から借りるようにします。

 コンビニなどで乾電池を買って充電するという方法も考えられるのですが、アルカリ乾電池が16本くらい必要で、接続が難しく思ったほど充電できません(実験したことがあります)。

サイドブレーキが凍り付いた
 雪国での駐車はサイドブレーキを掛けると、ワイヤーが凍り付いてブレーキが戻らなくなることがあります。この時はレバーを解除してもレバーが浮いたように戻りきらない状態になります。ムリに走行するとブレーキが焼けてしまうこともあるので、何とか解除しなくてはなりません。こんな時は、レバーをギューッと力一杯引いてみます。押してもだめなら引いてみなというわけで、大抵はこれで固まった部分が解除できます。これでダメなら、ホイールの裏側のブレーキやワイヤーの氷を棒などで叩き壊すしかないでしょう。

フロントタイヤが回らなくなった
 これは、実際に経験したのですがFR(後輪駆動車)で起こったトラブルです。さあ出かけようと走り出したら、ステアリングが全く効きません。驚いてタイヤの状態をみると全く回転していないのです。どうやらブレーキキャリパーの部分で凍り付いてしまったようです。そこで、同乗者にフェンダーに体重を掛けてもらい、タイヤを回す力(摩擦)を大きくして前後にクルマを動かして見たところ、数回のトライで解除できました。まれに、こんなトラブルもあるのです。

 雪道走行をすると、フェンダー内が雪で一杯になりますが、クルマを止めるときは落としておいた方が良いでしょう。タイヤの側面を軽く蹴るだけでも、ショックで雪が落ちてきます。一晩おいてしまうと、夜の冷え込みでガチガチになってしまいます。
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