文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)
ブレーキというと尻込みしがちですが、誰でも簡単にできるのがディスクブレーキの残量チェックです。ディスクブレーキというのは、円盤状のディスクローターをブレーキパッドではさんで制動するタイプで、今のクルマ(トラックなどは除く)のフロントブレーキは全部これです。放熱性が良く、効きが安定しているのが特徴で、スポーティなクルマや重量級ではリヤでも使われてます。もう一つ、ブレーキ液の量も大切ですが、これは次回にしたいと思います。
ブレーキング時の異音に注意しましょう
ブレーキパッドが無くなると警告音が出るようになっているクルマでは、パッドが完全になくなる前にキーキー音を出すために金属片を装着しています。パッドが無くなってくると、金属片がディスクローターと接触するようになって、音が出るメカニズムです。ブレーキを掛けたときにこの音が出るようになったら、早めにパッドを交換しなくてはなりません。新品では8~10ミリくらいあるパッドの厚さは残量2ミリ程度になっているはずです。車種によっては、この金属片が付いてないタイプもありますが、このタイプでは直接残量をチェックするしかありません。残量が無くなってしまうとパッドの地金の部分がローターとダイレクトに接触するので、ゴーと言う感じの音が発生して、ローターがスジ状に異常摩耗するなどしてしまい、余計な出費がかさんでしまいます。ブレーキ部分がよく見えるホイールなら、とりあえず外側のブレーキパッドの残量チェックは可能なので定期的にチェックしておくと良いでしょう。
また、タイヤを外す機会があれば、内側のパッド残量も同時に見ておきます。点検口がキャリパーに付いているタイプでは、そこから簡単に残量をチェックすることができます。両側のパッドが均等な厚みになっているかも見ておきます。バランスが崩れている場合は、ブレーキキャリパーの動きが渋くなっていることもあり、ひどい場合には内側のパッドが外側の倍以上のスピードで消耗している場合もありました。このような症状が出てくるのは7~10年以上経過したクルマなので、それほど神経質にならなくても良いですけどね。
パッドの消耗以外でも、鳴きが出ることがあります。そもそも、ブレーキはパーツ同士が摩擦するものですから、ビビリ音が起きやすいのです。パッド自体にはスムーズな摩擦を発生させるため、潤滑剤の役目をする成分を入れてあるそうです。でも、キーキー音は耳障りなものですし、新車でもクレームとして苦情が出るケースも多いようです。この場合は、対処の難しいケースも多いようですが、鳴き止めグリースを使用したりすることで直る場合もあるので、ディーラーなどで相談してみると良いかもしれません。ちなみに僕は和光ケミカルのネットリしたグリースを使ってます。