輸入車/注目の輸入車試乗レポート

男のラテン・コンパクトカー主義(2ページ目)

様々なしがらみから開放され、自由なクルマ選びを愉しむ。そんな贅沢な悦びを堪能するには、刺激的なラテン生まれのコンパクトカーこそが相応しいとはおもいませんか。

三代 やよい

執筆者:三代 やよい

車ガイド

「マニュアル」という賢者の選択

207GT
今回試乗したのは、ツインスクロールターボで武装した1.6リッター直4エンジンを搭載する3ドアのスポーティバージョン『GT』。最強『GTi』ほど尖りすぎておらず、ベーシックな『207』や『Cielo(シエロ)』よりもドライバーを悦ばせることを考えた『GT』は、審美眼をお持ちの大人の男性諸氏にとって最適バランスな一台といえるでしょう
搭載するのは、NAの2リッターエンジンを凌ぐパワーとトルクを搾り出すツインスクロールターボ付1.6リッターエンジン。組み合わされるのは5速MTのみ。「渋滞が面倒くさい」、「奥さんや彼女が運転できない」。そんな理由でマニュアル車をあきらめてAT車を選ぶ人は後を絶ちませんが、クルマに乗せられることと自分でクルマを操ることは違います。クルマを自分の支配下において操る愉しみを知っている大人であれば、この5速MTという設定が素直に嬉しいはず。

助手席との絶妙な距離感

207シフト
長めのストロークをたくわえたシフトノブは、コリッという小気味よい感触とともにシフトチェンジがキマります
いざ乗り込んでみると、まずはたっぷりサイズのバケットシートが体をしっかりサポート。フロントシートは運転席/助手席ともに大きめのサイズなので、座り心地が快適なうえに、助手席との距離も近く感じられます。小気味良いギアチェンジが決まるシフトフィールは、ストロークが長めで洗練された印象。

手放しで褒めちぎってしまうほど、エンジンの出来は出色。余裕のパワーとトルクに裏付けられたスムーズな吹け上がりは、高速の加速時でも街中の走行でも存分な気持ち良さを感じさせてくれます。

いつもの曲がり角が愉しくなる

207走り
思わず笑いがこぼれるほどに、気持ちよく鼻先を曲げる207。このハンドリングのスポーティーさはコンパクトカー界随一です
コーナーにさしかかればもう『GT』の独壇場です。ステアリングには豊かなレスポンスが戻ってきて、クルマが今何をして欲しいのかを伝えてくれる。コーナーがタイトになればなるほど嬉々として鼻先を曲げる。そのハンドリングには、スポーツカー的な魅力がたっぷりと詰まっています。いつもの曲がり角も、ちょっと愉しいドライビングスポットに変わってくれるかもしれません。

美的感覚と洒落心、そして運転への情熱も密かに抱いているドライバーの琴線をピンポイントで震わせるクルマ、207。206に続き、プジョーの右肩上がりの販売台数をさらに押し上げてくれるモデルとなることでしょう。

次ページは同じくフランス生まれのコンパクトカー、シトロエン・C2についてご紹介します。
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