洒落心を刺激する洗練コンパクト
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207の日本デビューは2007年3月。その後6月に電動メタルトップを備えたクーペ・カブリオレ『CC』と、シリーズ最強の『GTi』が追加されています。車両本体価格は239万円~344万円(税込)。撮影:大沢秀行 |
乗るだけでドライバー自身がファッショナブルに見えてしまう魔力を持つクルマ、それが
プジョー207。ファッション業界やクリエイターなどから厚い支持を受けてきた先代206の地盤を受け継ぎ、新世代プジョーのヒット作品となるであろう気配を見せています。
たおやかな姿態
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いまにも百獣の王のうめき声が聞こえてくる……と思いきや、響いてくるのはスポーティなエンジンサウンド。これだけ大胆なデザインなのに、下品に見せないのはさすがです |
207最大の特徴は、有機的ともいえる外観デザイン。メーカー自ら「フェリニテ(猫科らしさ)」と謳うほど、その外見は動物っぽいもの。曲線と曲面で構成されたエクステリアは繊細な筋肉に覆われた豹のような滑らかさ、長く伸びるヘッドライトはチーターの鋭い目つきを思わせます。最も目を惹くのがフロントマスクをほとんど占めてしまうほどの大きなエアインテーク。敵を見つけて咆哮するライオンの口のような迫力です。
長く愛せるインテリア
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オーナーにとって、一番顔を合わせることになるのがインパネ。長く愛せて飽きずにいられるシンプリシティは非常に重要なことなのです |
デザインコンシャスな外見に対して、わりとコンサバにまとめているインパネも好印象。オーナーが最も多く目にすることになる部分は、シックにまとまっていた方が運転に集中しやすいし飽きもきません。ちなみに内装を他人に見せる機会も多い『CC』のほうは、レザーに彩りを加えることで華やかさをアップさせています。
フランス流ギミック
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太陽が出てくるとそそくさとテーブルを道路上に並べるフランス人。そんな国で生まれたクルマには、太陽の恩恵に少しでもあずかろうとする装備が用意されています |
大人の物欲をくすぐる装備も用意されています。例えば天の恵みの太陽光をこれでもかというほど室内に取り込んでくれるパノラミックガラスルーフは、ステンドグラスやオープンカフェを生み出した、太陽との上手な付き合い方を知っているフランスらしい仕掛け。
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ディスプレイ下に見える黒い丸部分がディフューザー。伊達男にとっては香りもひとつの大事なアクセサリーです |
また、センターコンソール上にはパフュームディフューザーまで備えられています。しかも特別に調合された7種のアロマを揃えているあたりも、香水の国らしい配慮ですね。
さて、隅々にまでエスプリが詰まった
207ですが、運転したらどんな表情を覗かせてくれるでしょうか。
次のページでは早速乗り込んでみることにしましょう。